「おかしな教習所で免許をとった思い出」と、いずいずさん（@iziz_1984）の体験談を綴った漫画が話題になっています。
まず、１ページ目の導入部分。つげ義春氏が自身の夢での不思議体験を描いた漫画「ねじ式」のオマージュ。この時点ですでに怪しげです（笑）。
自動車運転免許の取得にあたり、ほとんどの人がお世話になる自動車教習所ですが、いずいずさんは一体そこで、どんな不思議体験をしたのでしょうか？
大学卒業間近のいずいずさんは、友人と山陰地方の自動車教習所の合宿に参加することにしました。長時間バスに揺られてようやくたどり着くと、教習所内から何やら「ソウルメイト～♪」という歌が。
さらに、教習所のスタッフから、「私たちはソウルメイトです！」と挨拶されます。
また、教習所内では「運転技術を磨くと同時に、ヒトとしての心も磨く」という考えのもと、「挨拶は絶対」「ボランティア活動を通じて、教習所内の施設で使える独自の通貨を稼ぐ」といったルールも存在しました。
これら独特なシステムに対し、はじめは怪しいと思っていたいずいずさんたちでしたが、すぐに環境に慣れ「通貨システムを回す歯車」になっていたといいます。
やがて、他の地方から合宿に参加していた高校生３人組とも仲良くなり、楽しい合宿生活を過ごしました。
しかし、肝心の自動車教習は思うようにはいきません。小さい頃から運動が苦手だったいずいずさんは、仲間たちに比べてうまく学科が進まず、他の人たちが免許をとって卒業していくなか、ひとり残されてしまいます。そんないずいずさんに、バスの中から声援を送る仲間たち。
このような「ソウルメイト」の応援もあって、いずいずさんも免許を取得することができました。
はじめは怪しく感じたものの、挨拶やボランティアを通じて大切な精神を学び、得た通貨で楽しく過ごしながら、仲間たちと励まし合って免許取得を目指す――というシステムは、とても理にかなったものにも思えますね。
いずいずさんに、合宿の思い出について詳しく話を聞きました。
――教習所に流れていたという「ソウルメイト」の歌ですが、実際にはどんな曲だったのですか？
いずいずさん：音楽の授業で歌う合唱曲のような感じでした。最初は違和感がありましたが、２週間もいるとだんだん慣れてきますw
――そうなのですね（笑）。挨拶やボランティア活動などもユニークでしたね。
いずいずさん：教習生は１０～２０代前半の若者中心だったので、ああいったシステムをうがった目で見ず、楽しんで参加していたように思います。
――卓球台や岩盤浴などの設備もあったとのことで、居心地はかなり良かったのでは？
いずいずさん：そうですね。エステサロンもありました。私は稼いだダラーでロミロミ（ハワイのオイルマッサージ）を施術してもらいました。
――合宿中のお仲間たちとは今でも交流されていますか？
いずいずさん：高校生３人とは音信不通ですが、当時一緒に行った友人とは今も仲が良いので「あの子達、今なにしてるだろうね」とたまに話しては、思い出を楽しんでいます。
――教官の方々も、熱心で優しい雰囲気が伝わってきました。
いずいずさん：実技試験の前には緊張しないよう、かつ集中させてくれる声がけをしてくださったのがありがたかったです。指導はしっかり、でもフレンドリーな教官が多く、そうした雰囲気が教習所の楽しいムードを作っていたと思います。事務の方達も本当に優しかったです。
――教習所の想い出の中で、今回の漫画で紹介していないエピソードがあれば教えてください。
いずいずさん：教習所の近くに、よく当たると言われる占い師さんがいて、見てもらいに行ったことです。「あなたは努力すればしたぶんだけ返ってくる幸運の持ち主だ」と言われました。当たってるかどうかはわかりませんがw、今でもその言葉を糧に頑張っています。
今でもその教習所はある？
今までにない環境で過ごしつつも、とても良い思い出にもなったという、いずいずさんの自動車教習所体験。
いずいずさんの漫画の読者の中にも、この教習所の合宿に参加したという方は多く、「楽しい思い出でした」といったメッセージもたくさん寄せられたそうです。
「『運転スキルだけでなく、自然と優しい気持ちが育まれる環境だった』と、教習を体験した皆さんが共通して感じられているのは、本当に素晴らしいことだと思います」 （いずいずさん）
今回の漫画は、１４年も前のエピソードだということで、現在も、この教習所は存在しているのでしょうか？ 調べてみたところ、まだ運営を続けられていました。ネット上では教習体験者からのユニークな話や、詳細な教習情報なども紹介されています。
これから免許取得を考えていらっしゃる方は、「山陰」「ソウルメイト」「教習所」などのワードで、ぜひ検索してみてください！
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今回、ユニークで楽しく素敵な自動車教習の思い出を紹介したいずいずさんですが、他にも漫画やイラストを多数公開しています。「今なかなか遠出できないので、読む人が旅行気分を味わえるような漫画を描きたいなと思っています。ツイッター、インスタをぜひフォローしてください」とのことでした。
■いずいずさんのTwitterはこちら→https://twitter.com/iziz_1984
■いずいずさんのInstagramはこちら→https://www.instagram.com/iziz.tokyo/
