2023年の「暦要項」発表!気になる「お休みの日」と「国民の祝日」の意義とは?

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日本の公式暦に位置付けられる暦要項(れきようこう)。毎年2月の『官報』に、国立天文台が推算した翌年の暦を掲載しています。内容は、国民の祝日、日曜表、二十四節気および雑節、朔弦望、東京の日出入、日食・月食など。今年は2月1日に「令和5(2023)年暦要項」が発表されました。
今回は、日にちが変動する祝日、休日と祝日の違いなど、あまり知られていない「国民の祝日」についてご紹介します。


その年によって日にちが変わるのは、どんな祝日?

祝日は、「国民の祝日に関する法律」(以下、「祝日法」)で定められています。現在は、年間16日の「国民の祝日」が設けられています。
祝日には、1月1日の「元日」、5月3日の「憲法記念日」のように日にちが固定されているものと、「〇月の第〇月曜日」と決められており、毎年3連休になるように設定されているものがあります。これは「ハッピーマンデー」と呼ばれる制度で、法律を一部改正して2000年に「成人の日」と「体育の日」、2003年に「海の日」と「敬老の日」が、それぞれ月曜日に移動しました。
他に、日にちが変わる祝日には、「春分の日」と「秋分の日」があります。「祝日法」に具体的な月日は定められておらず、天文学上の言葉の「春分日」と「秋分日」がその日にあたるとされています。天文学上の「春分」は太陽が黄経0度の春分点を通過した時、「秋分」は黄経180度の秋分点を通過した時。地球の公転周期は365日ちょうどではなく、およそ365日5時間48分46秒と6時間弱の差があります。そのため、4年に一度の閏年で調整しても、毎年必ず同じ日になるとは限らないのです。春分の日と秋分の日は、地球の公転周期に連動する特殊な祝日なのです。

【令和5(2023)年の国民の祝日】
◎元日/1月1日
◎成人の日/1月9日(1月の第2月曜日)
◎建国記念の日/2月11日(政令で定める日)
◎天皇誕生日/2月23日
◎春分の日/3月21日(春分日)
◎昭和の日/4月29日
◎憲法記念日/5月3日
◎みどりの日/5月4日
◎こどもの日/5月5日
◎海の日/7月17日(7月の第3月曜日)
◎山の日/8月11日
◎敬老の日/9月18日(9月の第3月曜日)
◎秋分の日/9月23日(秋分日)
◎スポーツの日/10月9日(10月の第2月曜日)
◎文化の日/11月3日
◎勤労感謝の日/11月23日


元日は祝日で、大晦日は祝日ではない!

元日の1月1日は、国民の祝日です。一方、大晦日の12月31日は「祝日法」の定める祝日ではありません。では、なぜ大晦日は一般的に休みとされることが多いのでしょうか。
大晦日が休日となるのは、官公庁や地方自治体などの行政機関。「行政機関の休日に関する法律」によって、12月29日から1月3日までが休日と定められているのです。
年末年始の休日はこの法律によるもので、民間の企業の場合は特に年末年始の休日は定められておらず、企業が独自に設定している「業務を休む日」ということになるのですね。


「休日」とは異なる「祝日」の意義とは?

主に、仕事や授業などを休む日を意味する「休日」に対して、「祝日法」の第1条では「祝日」の意義を次のように規定しています。
<自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。>
祝日にあたる日は、いつもの業務を離れて、この日の意義を考え、心豊かに一日を過ごす日。この機会に、ぜひそれぞれの祝日の意味を確認してみるのはいかがでしょうか。あまり知られていない内容や興味深い趣旨に、新たな発見がありそうです。

◆「政府広報オンライン」
知ってそうで知らない 「国民の祝日」とその趣旨や経緯

参考サイト
国立天文台「令和5(2023)年暦要項の発表」
内閣府「国民の祝日について」

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