「本日分のスープをこぼしました。。。本日の営業を終了させて頂きます」という切なすぎるラーメン屋の貼り紙が話題になっています。「小説キングダム ハーツ」などの著書がある小説家の金巻ともこさんが店の前を通りかかり、「こんな悲しいラーメン屋の貼り紙ある?」とTwitterに投稿すると、「切なすぎる」「掃除大変やったやろな…」と反響を呼び、後日投稿を見た店主からも反応があったといいます。金巻さんとラーメン店主に話を聞きました。
100人前のスープこぼした
金巻さんによると、貼り紙を見かけたのは1月25日。「かわいそう…」と思い、ツイートしたそうです。ラーメン店は東京都中野区にある「麺処 次男房 野方本店」。果たしてケガややけどはなかったのでしょうか? 店主に取材しました。
ーースープをこぼしたのはいつ頃だったのでしょうか?
「1月25日12時40分頃です。出来上がりのスープを使って営業をしていて、客足が途絶えたので寸胴(100人前のスープ)を移動させようとしたらこぼしました。その日に使う約100人前あるスープをこぼしたので営業が出来なくなりました」
やけどやケガはなし。翌日に営業再開
ーー掃除が大変だったのではありませんか? やけどやケガはなかったのでしょうか。
「清掃は鶏ガラ等を手で取りスープを水で流し床を磨きました。12時間前に出来上がったスープだったので、火傷や怪我はなかったです」
客への罪悪感から貼り紙→心配した客に励まされる
ーー貼り紙は、スープをこぼした当日に貼りだしたんでしょうか?手書きのメッセージに無念さがにじんでいますが…。
「2022年1月25日当日です。ご来店予定のお客さんがいたので、来られてやって(営業して)ない事に怒りを買うと思い、罪悪感を感じてました。まさか字に無念さが出てるとは思いませんでした」
ーー貼り紙がTwitterで反響を呼んでいます。
「怪我はなかった!?って、気にして食べに来てくれた常連様が多く、とても嬉しかったです。一番嬉しかったのは、当日ご来店予定のお客さんにツイートが届き、大変だったね!って笑顔で話して貰えた事です!」
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スープをこぼした悲しい貼り紙がきっかけでしたが、投稿が拡散され、ラーメン店主を励ます来客が相次いだとは、世の中わからないものです。
お店の売りは、じっくりと煮込み、鶏の旨味を存分に引き出した鶏白湯の次男房らーめん(800円)です。営業時間は11時30分~15時、18時~20時(コロナ期間は土曜日15時まで)、定休日は日曜日、月曜日。コロナ禍で営業時間を短縮中ですが、スープをこぼすアクシデントにもめげることなく営業を続けているそうです。