牛乳で釘が打てる!? マイナス50度の極寒都市・ロシアのヤクーツクでの光景に驚く人が続出

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

モスクワ在住歴15年以上であり、現在もモスクワで暮らしているというロシアな旅人さん(@Japanese_in_Rus)が、この年末年始に観光したというロシア連邦サハ共和国の首都・ヤクーツクの街の様子をTwitterで紹介。日本では考えられない光景だと話題になっています。

ヤクーツクは冬の気温が世界の都市の中で最も低いともいわれており、最低気温はマイナス50度以下になることもあるそうです。そのような極寒の地では、人々の生活や文化は日本に住む私たちのそれと比べて、どのように違うのでしょうか。

「世界一寒いロシアのヤクーツクにある屋外市場は気温−50℃でも通常営業します。見どころは魚を花屋のように立てて陳列したり、牛乳もブロックで販売します。ヤクーツクでは牛乳で釘が打てますよ」

ロシアな旅人さんが紹介したヤクーツクの市場の様子は、その答えの一つとなりそうです。

市場では、ガチガチに凍った魚が立てられ、まるで花かフランスパンのように陳列され、ところせましと並んでいます。しかも、このような著しく寒い日でも売り子の方は笑顔で、毎日休憩を挟みながらも1日8時間外にいらっしゃるとのこと。

また、肉に混じり、牛乳もまた凍った状態で販売している場面も紹介。日本ではまず見られない光景ですね。

「−50℃。呼吸をしようとすると息が吸い難い気温ですね!」
「当方札幌在住ですが、こちらは『限界までさがっても−15℃』ですので、−50℃は完全に意味不明な世界ですね」
「冷凍庫いらず……」
「自然の冷凍庫になってるのか。すごいな」
「見た目より衛生的なのは間違いなし」
「凍った牛乳はどうやって飲める状態にするんでしょうか…?」

リプ欄ではこのような驚きのコメントが続出。ロシアな旅人さんは、コメントの一つ一つに、丁寧に回答されていました。

ちなみに、凍った牛乳の質問については、ロシアな旅人さんも「解凍方法は謎」とのことです。

さらに、ロシアな旅人さんは、他にも多くのヤクーツクの風景をTwitterで紹介しています。

国土のほとんどが永久凍土のために、生活熱で氷が解けないように高床式になっている建物――、

生活で排出される水蒸気が霧となって漂い、薄暗い森を彷徨っているような不気味でありながら神秘的な気分になること――、

車はエンジンを冷やさないように秋から春にかけてはエンジンを掛けっぱなしにし、屋外の駐車場で『ナターシャ』という呼び名の車用の毛布を被せていること――、

などなど、日本とはまるっきり違った文化・慣習であることを教えてくれます。

ロシアな旅人さんに、ヤクーツクの話を聞きました

――ヤクーツクに行かれた理由は?

ロシアな旅人さん:ロシアは年末年始の祝日が長くて、今回は12月31日から1月9日まで10連休あったのですが、日本に一時帰国しようにもコロナ禍での水際対策などの事情を考えると難しく、ロシア内での旅行を考えました。どうせなら、日本人があまり訪れないような場所にしようと、世界一寒い地域と言われているサハ共和国のヤクーツクへ行くことにしました。

――ヤクーツクではどのように過ごされましたか?

ロシアな旅人さん:特にノープランでしたが、地元の人にオススメを聞いたりしながらヤクーツク市内を中心に観光したり、現地料理を楽しみました。

――充実した旅行だったようですね!しかし、ヤクーツクはマイナス50度に及ぶこともあるほどの極寒の地。実際に行かれてみていかがでしたか?

ロシアな旅人さん:ちょうど滞在中の年始の期間に寒波が到来し、マイナス50度に達するレベルの寒さを体験することができました。これほどの寒さになると、顔や手袋をはずした手は瞬時に凍え、その後は寒いというよりも“痛い”という感覚に襲われます。

――日本ではなかなか体験できませんね。そのような極寒の中で、人々はどのように生活しているのでしょう。

ロシアな旅人さん:外出する時は、口の周りを覆い、肌が露出しているのは基本的に目の周りだけというスタイルでした。毛皮のコートやトナカイ皮のブーツ(ウンティ)などを着ている方も多くて、防寒にはかなりお金をかけているという印象です。また、車はエンジンをかけっぱなしにしているともご紹介しましたが、最近では燃費のことを考えて、エンジンを定期的にON/OFFして一定の温度に保ってくれる装置を付ける人も多いようです。

――現地料理は何を食べられましたか?

ロシアな旅人さん:凍った魚や馬肉、鹿肉をナイフで削いで生のまま食べる『ストロガニーナ』という料理があるのですが、私もヤクーツク市内のレストランで食べてみました。塩コショウを好みで付けるだけのシンプルな味付けで、刺身や馬刺しの文化のある日本人にも合うと思いました。また、特に気に入ったのは、馬乳を発酵させた『ブィールパフ』という炭酸飲料です。味は酸味のあるカルピスソーダという感じで飲みやすく、日本の居酒屋とかでも流行ると思いました。ですが、知り合いに聞いてみたところ、サハ共和国以外の地域ではほとんど知られていないようです。

――他にも印象的なエピソードはありますか?

ロシアな旅人さん:ヤクーツクは人口の半分が先住民族のヤクート人で、日本人っぽい顔立ちの人も多いため、私もヤクート語で何度も話しかけられたのは印象に残っています。また、レナ川という大河が流れているのですが、冬の間だけ川が全面凍結して氷上道路が開通します。タクシーで対岸の町との間を往復してみましたが、一面真っ白の世界を走り抜けるのは爽快でした。

――今回のヤクーツク紀行だけでなく、ロシアのさまざまな風景をTwitterやYouTube動画で紹介されていますね。

ロシアな旅人さん:やはり“ロシアの旅”といえば真っ先にシベリア鉄道を思い浮かべるのではないでしょうか。モスクワからウラジオストクまでノンストップでも約1週間の旅になります。私は、昨年の夏にシベリア鉄道横断の旅に出たのですが、住み慣れたモスクワを一歩出るとそこは大自然のオンパレードでした。また、シベリア鉄道は駅を除いてインターネットも携帯電話も圏外なので、仕事や時間に追われる生活を送っている人など、“自分を見つめ直す旅”としてもオススメです。 旅の様子は私のYouTubeチャンネルに、『シベリア鉄道の車窓から』というシリーズで投稿していますので、よければご参考に!

■ロシアな旅人さんのTwitterはこちら
 →https://twitter.com/Japanese_in_Rus

■YouTubeチャンネル「ロシアな旅人」はこちら
 →https://www.youtube.com/channel/UCu1W4kXfp5bOBvd0e_OzBOg

■ロシアな旅人さんの動画『シベリア鉄道の車窓から (#1) 』はこちら
 →https://youtu.be/nQS4WCb-A7Q

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