打つ?必要ない?悩ましいワクチン3回目接種に医師がアドバイス 定量検査を参考にしては

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦

新型コロナワクチンの3回目接種、はたして自分は3回目を受ける必要があるのか、悩んでおられる方も多いと思います。2回目接種後の副反応で辛い思いをされた方は、とくに不安を感じておられるでしょう。コロナにかかりたくはないけど、接種翌日のあの辛い副反応はもうこりごり。

そういう方にお勧めしたいのが、「新型コロナスパイク蛋白トータル抗体(中和抗体)定量検査」です。保険適応ではないので医療機関によって金額はまちまちですが、1万円以下で検査を受けられます。この検査には「ロシュ」社製と「アボット」社製の2つのキットがあり、精度は変わりませんが、結果の単位と数値が異なります。

ロシュ社製は240U/ML以上あれば95%の確率でコロナに感染しない、と判定します。一方アボット社製は、4160AU/ML以上で、同様の効果が保たれていると判定します。

当院では主にロシュ社製で検査しており、実例を挙げますと、2回目のワクチン接種後2週間で4000U前後の値が出ます。6カ月経ってもほとんどの人は1000U前後、少ない人で300Uはありますので、そういう人は慌てて3回目を受ける必要はありません。

ただ、高齢で飲酒喫煙の習慣がある人で、2回目接種後3カ月で23Uまで減少した方もおられます。こういう方は、そもそもワクチンが効いていなかったか、一旦は効いたけど一気に抗体価が落ちたのか定かではありませんが、すぐにでも3回目の追加接種を受けていただきたいです。

最近はロシュかアボット、もしくは両方を導入している医療機関も多いので、ネットで調べて検査をお受けになるのも、3回目接種を受けるか否かの大きな目安になると思います。

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