人材サービスを手がけるアデコ株式会社が日本全国のビジネスパーソン2000人に行った調査によると、約4割がコロナ禍において「仕事の熱意が薄れた」と感じていたことが分かりました。
就労中の会社員と公務員・団体職員を対象に、2021年8月に行われた、エンゲージメント(組織に対する愛着心といった意味)の変化について聞いた調査です。男性1185人、女性815人が回答し、このほど結果が公表されました。
新型コロナウイルス対策のため、初めて緊急事態宣言が発出された2020年4月以降、勤務先企業や勤務先の上司、同僚との結びつきについて変化があったか聞いたところ、それぞれについて約半数が「変わらない」と回答した一方で、3割以上が弱くなったと回答。「仕事に対する熱意」の項目では「とても弱くなった」「やや弱くなった」を合わせると36.2%となりました。
ビジネスパーソンと勤務先との関係について聞いたところ、「勤務先の会社/組織に貢献したいと思う」と63.2%が答えた一方で、友人や知人に自身の勤務先を薦められないと62.3%が回答したといいます。
また、5割以上が「勤務先のビジョンに共感していない」「自身のライフビジョンやキャリアビジョンと勤務先企業のビジョンとの繋がりを意識できていない」と答えていたそうです。
勤務先の上司との関係について質問したところ、上司からのフィードバックの内容やタイミングに関して、5割以上が不満を持っていたといいます。
ビジネスパーソンの現在の仕事についても聞いたところ、5割以上が「今後のキャリアに関する展望を描くことができていない」「勤務先では良い仕事をするための設備や環境が整っていない」とも回答していたそうです。
調査結果について同社は「勤務先や勤務先の上司・同僚との結びつきについて、回答者の半数がコロナ禍でも結びつきに変化はないと回答したのは喜ばしいことですが、結びつきが弱くなったという回答も3割以上あったことから、職場におけるエンゲージメントの向上は引き続き大きな課題であると言えます。さらに、ビジネスパーソンの約4割はコロナ禍で仕事への熱意が薄れたと回答しており、従業員のモチベーションを高めるための施策も重要になっています」と解説。
また、「今後のキャリアに関する展望が描けているかどうかという質問には、5割以上が描くことができていないと回答していました。キャリアコンサルティングなどを通じて、従業員一人ひとりが将来のキャリアを考える機会を設けることによって、働く意味が明確になり、モチベーションの改善にもつなげられる可能性があります」などと述べています。