「何かのドッキリ?」日本人歌手がいきなり世界進出 エド・シーランの日本語カバー歌ってみたら本人サイドからオファー

杉田 康人 杉田 康人

あなたの“歌ってみた動画”が世界的シンガーに認められたらどうしますか? そんなシンデレラ・ストーリーのような展開が現実に起きた。

エド・シーランの最新ミュージックビデオに日本人の動画音源の一部が使われている。エド・シーランといえば、グラミー賞を4回受賞し世界で最も売れたアーティストにもなった英国人歌手。10月29日にリリースされた最新アルバム「=(イコールズ)」に収録されている新曲「Over pass Graffti/オーヴァーパス・グラフィティ」のMVに、日本人歌手のMARINAさんが歌うエド・シーランのヒット曲「Shape of You」日本語カバーバージョンが使用されているのだ。

MARINAさんは2020年9月1日、YouTube上の自身のチャンネル「まりなずちゅーぶ」で「女の子の想いをオリジナルの日本語歌詞にしてカバーさせて頂きました」と、日本語でカバーした「Shape of You」をアップ、いわゆる“歌ってみた”的に発表していた。世界中の人が同曲をカバーしているが、エド・シーランの目に止まったのはMARINAさんのこの音源だった。

熊本県八代市出身のMARINAさんは「最初は、これはウソだ。だまされてる。何かのドッキリ?と思いました(笑)。ただ、世界への活動が夢と語ってきたので、自分の楽曲が尊敬するエド・シーランさんを通じて、全世界へ届ける事ができるのが、本当に幸せで感謝感激です!」と大興奮。また、この「Shape of You」日本語カバーの作詞と編曲を担当した音楽プロデューサーチーム・Invis!ble Catsのメンバーで、Bob Doggこと祖一真哉さん(24)も「話を聞いたときは絶対にだまされていると思って、実物を見るまで信じなかった」と驚きを隠せなかった。

祖一さんは、大阪市のエンタメ関連企業で働くサラリーマンのかたわら、3人組ラッパーグループ・HEISEI BOYSとしても活躍している。音楽活動は大学生の頃から続けているといい「大学のころからやってきたけど伸びなくて。それでも、音楽にほれたからには身を粉にしてやっていたら報われた」と、舞い込んだ世界進出のチャンスを振り返った。

MARINAさんの音源が使用されているのはMVの終盤。エド・シーランが旅に出て、さまざまな場所を訪れる模様を描いたロード・ムービーのような内容になっているのだが、旅の最後でお相撲さんとばったり出会い「どこに行くの?」「一緒に行っていい?」などと日本語で会話。再びどこかに旅に出て行くラストになっている。

日本好きで知られるエド・シーランならではの演出。日本のファンにとってもサプライズになったが、自身が歌ったカバー曲が本家のMVに採用されたMARINAさんや関係者にとっては、驚きの知らせとなった。

MARINAさんが歌う日本語カバーのYouTubeは再生回数8万8000回を突破。2日間で1万回が再生されるなど、注目が集まっている。

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