いま大注目!リサイクルの理想型『水平リサイクル』

ボトルからボトルへのリサイクルでCO2削減

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 現在、日本では環境問題への取り組みがさかんになっている。レジ袋の有料化など、消費者の身近に感じられる動きも増加してきた。その中でも話題となっているのが「水平リサイクル」。何かにリサイクルするだけではない、何にリサイクルするか|が求められる時代に「次世代のリサイクルの形」として今、最も注目を浴びている。

水平リサイクルとは

 次世代のリサイクルの形「水平リサイクル」とは、水平(同じものから同じもの)に生まれ変わる、資源の循環方法である。 
 例えばペットボトルの水平リサイクルであれば、ペットボトルからペットボトルに変換するリサイクル法。同じ資源を繰り返し使用できるため、原料に使われる石油を追加で使うことがほとんどなく、CO2の排出も抑えることができる。
 しかし、今現在、ペットボトルの国内での水平リサイクル比率は15・7%と、1割強にとどまっている(2020年実績)。その難しさは、分別の手間などに起因する。また、仮に家庭や職場内ではきっちり分別していたとしても、ペットボトルにリサイクルする業者に引き渡さなければ、水平リサイクルは行われないなど、ハードルが高くなっているのだ。

東播磨地域2市2町で今年4月よりスタート

 そんな中、今年4月からいち早く「水平リサイクル」に自治体をあげて取り組んでいるのが、兵庫県の東播磨地域2市2町(高砂市・加古川市・稲美町・播磨町)だ。住民らが分別したペットボトルをペットボトルへと再生し、サントリー高砂工場に供給することで、全国で初めて、複数の自治体での「水平リサイクル」を実現した。

今月よりマルアイやコープこうべも協力

 さらに、今月からは兵庫県を中心に展開するスーパーマーケット「マルアイ」と「コープこうべ」も協力。分別したペットボトルを店頭に持ち込むことでも水平リサイクルされる。こうした活動に賛同する企業、学校、施設などの事業者が増えていくことが期待される。
 兵庫県にとどまらず、京都の宇治市、城陽市、長岡京市などでも来年4月より、ペットボトルの水平リサイクルの取り組みが開始される。

様々な業界で広がる水平リサイクル

 水平リサイクルは、様々な業界に広がっている。アパレル大手のユニクロでは、日本国内で回収したダウン商品を再生・再利用したリサイクルダウンジャケットを、昨年11月より発売している。
 また、生活用品大手のユニ・チャームでは、使用済み紙おむつを個別回収し、新たなおむつに再生する取り組みをスタート。使用後の紙おむつは水分を吸うことでかさがまし、廃棄処理に大きな負担となっていたが、長年の研究で紙おむつの再利用を実現した。
 このように、様々な業界で『水平リサイクル』の動きが活発化している。

環境最先端都市・東播磨

 兵庫県では、東播磨地区を「環境最先端都市・東播磨」を目指し、様々な施策の検討を推進、サポートしている。地域の人々、自治体、事業者が三位一体となった資源循環型社会の実現に向け、取り組みを続けている。

 ペットボトルの水平リサイクルの場合、右図のように、高砂市、加古川市、稲美町、播磨町での自治体回収と、コープこうべ(東播磨地域で6店舗)、マルアイ(兵庫全域に66店)での店頭回収が行われると、同地区では、46%の水平リサイクル率となる。

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