再試ヲ受ケテイナイ者ニ告グ。ある高校の日本史担当の先生がこんな告知文を学内に掲示しました。二・二六事件(1936年)の戒厳司令部が、飛行機から撒布してクーデターを起こした兵に投降を呼びかけたビラ「下士官兵ニ告グ」の文面がベースになっています。先生の遊び心は令和の高校生に通じたのでしょうか。洒脱ナル文デ或ルト甚ダ感心ス。
Twitterユーザーのひりゅー(@ikiryu_)さんが通っている高校で見かけた告知文を撮影。「先生のセンスありすぎ笑ってる」と公開したところ、2.7万回以上リツイートされ、12万超のいいねが付きました。以下の文面です。
再試ヲ受ケテイナイ者ニ告グ
今カラデモ遅クナイカラ再試ヲ受ケヨ
抵抗スル者ハ関心・意欲・態度ガ悪イ者デアルカラ成績ヲ下ゲル
オ前タチノ父母兄弟ハ成績ガ下ガルト聞イテ皆泣イテオルゾ
日本史特講担当
一読しただけで心当たりが浮かぶこの文章は、クーデターを起こした兵士たちに原隊に帰るよう促しつつ、抵抗するものは逆賊とみなして射殺するという厳しい姿勢を示した二・二六事件の「下士官兵ニ告グ」ビラが下敷きになっています。家族への情を持ち出し、鬼手仏心を地で行くような文体に、SNS上では「いい先生だなぁw」「センスがありますねぇ」「抵抗した生徒はどれくらいいるのか」「先生が優しすぎて涙が出るほど笑える」などの声が上がっています。原文に忠実に、文章部分の漢字にはルビが打たれています。
この先生の日本史の授業もウケています。授業中、ダジャレなども言いますが、普段は真面目に分かりやすく、映像を使って授業をしてくれるそうです。投稿が拡散したことについては「正直ここまで伸びると思いませんでした笑 これをきっかけにして日本史に興味を持ってくれたら嬉しいです」と話しています。
さてビラに込められが肝心の遊び心は生徒に通じたのでしょうか。「一部の生徒は気づいていましたが、ほぼ気づいていいません」(ひりゅーさん)。昭和は遠くなりにけり…。