物置の中に子猫が!
チルちゃん(オス・3歳)は、大阪府のとある店の物置き場にあったブルーシートの中にいた。生後1ヶ月くらいだったという。
その店に勤務していたMさんが外の物置きの鍵を開けて中に入ると、ミャーミャー鳴きながら、何かを必死で訴えるように出てきたという。鳴きながら足にすり寄ってきて、全く警戒するような様子はなかった。
猫が大好きなMさんは、「どこから来たのかな?」と思いながら、店長に事情を説明し、チルちゃんを保護した。ダンボールにタオルを敷いて水をあげると、チルちゃんはしばらく鳴いていたが、やがてスヤスヤと眠り始めた。
心配だけど飼えない
仕事中だったので頻繁に席を外すわけにはいかなかったが、Mさんはこっそり何度も様子を見に行った。
「私の足によじ登ったり雑草で遊んだり、とても可愛い子でした」
店長は、「公園に逃すか、猫を引き取ってくれるところに電話して引き取ってもらう」と言った。「引き取ってくれるところって、本当に安全なの?飼い主が見つからなかったらこの子はどうなるの?」とMさんは不安な気持ちでいっぱいになった。
しかし、Mさんは一人暮らしで、うさぎ2匹と保護猫1匹を飼っていたので、新たに子猫を迎える自信がなかった。
「もしも病気や怪我をした時、きちんと世話をできるかどうか分からない・・・」
Mさんは店長に時間をもらって、チルちゃんの飼い主になってくれる人を探そうと知り合いに連絡をした。友人が飼い主になってくれると言ってくれて、3日後に引き渡しすることになった。
Mさんは、仕事が終わるとダンボールに入れたチルちゃんを入れて動物病院に連れて行った。特に問題はなく、家に連れて帰って先住猫に会わせると、先住猫はシャーシャーと怒った。
「困り果てましたが、気付けば匂いを嗅いだり一緒に遊んだり、すぐに仲良くなっていました」
先住猫、母猫のように可愛がる
引き渡しまでの3日間預かるだけのつもりだったが、友人から連絡があり、「やっぱり猫は飼えない!」と言われた。Mさんは、自分の都合で命をほしいと言ったり、いらないと言ったりする友人に幻滅した。
「いろいろ考え、この子は何かの縁があって今ここにいると思い、私が飼うことにしました。それから不思議と時給も上がり、心配することなくみんなを飼えるようになったんです」
先住猫はチルちゃんにいろいろなことを教えたり、怒ったり、寝かしつけたりして、母猫のように世話をした。ゆったり、のんびりとした子に育ってほしいと思い、「チル」という名前にした。チルちゃんはとてもわんぱくで、ヤンチャっぷりを発揮しているという。