「置いてっちゃうからね!」「勝手にしなさい!」を子どもに言ってはダメな理由 カリスマ保育士の子育て術

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 子どもがどうしても言うことを聞かない時に、つい言ってしまう「もう置いていっちゃうからね!」「もう勝手にしなさい!」の一言。これは「ダブルバインド(二重拘束)」といって、子どもにとって恐ろしく良くない言葉なんです、と語るのは現役カリスマ保育士「てぃ先生」のYouTube動画。

 てぃ先生の実用的な子育てノウハウが詰まったYouTubeチャンネルの登録者数は47万人、Twitterフォロワー数は52万人を超え、日々の子育てに奮闘する全国のママ・パパや保育士たちに絶大な人気を誇ります。

 てぃ先生のYouTube動画『みんなのトラウマ「置いてっちゃうからね!」のヤバさと対処法を解説』は再生回数129万回を突破。その内容について紹介します。

 「置いていっちゃうからね!」という脅し文句は、子どもに言うことを聞かせるには即効性があるため、親としてはついつい頼ってしまいます。しかしこれは、アメリカの精神医学研究者のグレゴリーさんが提唱した「ダブルバインド」と呼ばれる状態。1つのメッセージの中に矛盾した複数の意味が込められているため、子どもに混乱と強い緊張、過度なストレスを与えてしまうそうです。

 子どもは「置いていかれるかもしれない」という不安や恐怖と同時に、「そうは言っても、実際にはママ・パパは離れていかないだろう」という状況に混乱してしまいます。「もう知らない!」「勝手にしなさい!」も同じ言葉。本当に子どもが勝手をし始めると、「何してるの!」と怒ってしまうことで、子どもは何がなんだかわからなくなる原因になってしまいます。

 「ダブルバインド」のコミュニケーションが続くことで、子どもの自己肯定感や思考力が下がる、周りの人たちへの信用が無くなる、自分の気持ちを表現できなくなるなど、たくさんのデメリットが起こってしまうそうです。

 では、子どもにどのように伝えれば良いのでしょうか? てぃ先生が教えてくれる3つの方法はこちらです。

(1)無条件に子どもを認めていることを示す

「ダブルバインド」が発生しやすい環境は、何か良いことをした時だけ褒められる・認められるといった条件付きの愛情表現。「何か特別なことがなくたって、あなたのことが大好きだよ」という無条件の愛情を伝えてあげることが、安心感につながります。「大好きな〇〇ちゃん、おはよう」「ママの大事な〇〇ちゃん、おやすみ」というように、子どもの名前を呼ぶ時に、「大好きな」「大事な」と付けるだけでも効果があるそうです。

(2)子どもに選択肢を持たせてあげること

大人からの一方的な命令は、子どもが拒絶しやすくなります。お片付けをする時には、「こっちのおもちゃと、あっちのおもちゃ、どっちから片付けようか?」と選択肢を持たせてあげれば、一方的に「片付けなさい!」と命令するよりも、はるかにお片付けに取り組みやすくなります。

(3)子どもにあらかじめ見通しを持ってもらうこと

子どもを一人の人間として見てあげてほしい

 大人に予定があるように、子どもにも予定があります。「このあと、車を出して遊ぼう」「これが完成したら、ママに見てもらうんだ」といった、心の内にある目には見えない予定です。それが突然、「はい、おしまい!」「もう帰るよ」と言われてしまうと嫌になってしまいます。「毎回、同じことを言っているんだから、わかるはず」ではなく、毎回、あらかじめ「これをしたら、次はこうだよ」と伝えておくことが大切。そうすることで、子どもが先の見通しを持って心づもりをしておくことができます。

 てぃ先生のYouTube動画では他にも、子どもに感情的に怒ってしまった時の対処法や、子どもが納得してくれる言葉かけの方法など、子どもとの円滑なコミュニケーションの取り方を多く紹介しています。

 子どもの行動に対して強く叱る必要性やシーンはないのか、てぃ先生ご自身は感情的になってしまう時はないのか、てぃ先生に聞きます。

 「子どもを子どもとして見るのではなく、一人の人間として見てあげてほしいんです。例えば大人が大人に対して、何かお願いをする時や、自分の予定に付き合ってもらう時に、『~しろ!』なんて絶対に怒鳴らないですよね。『飲み物、買ってきてくれませんか?』『~に付いてきてくれない?』と、丁寧に頼み事を伝えますよね。

 なのに、それが子どもになった途端に、子どもは言うことを聞いて当たり前、話を聞いて当たり前、大人に言われた通りにするべき、という見方があるから、子どもに伝えたことが上手くいかなかった時にイライラしてしまうと思うんです。大人が子どもを一人の人間として捉えていないからこそ、自分の言うことを聞くはずだという思い込みになり、イライラするわけですよね。子どもだからこういう言い方をしてもいい、ではなく、まず人と人が関わりを持つ中で、どうしたら相手がお話を聞いてくれるのかな、という風に考えたら良いと思います。

 子どもを一人の人間として捉えたら、まだおしゃべりがそんなに上手じゃない成長中の人間、という見方ができますよね。例えば、周りにまだ日本語がそれほど堪能じゃない外国人の方がいたとします。その方に対して、子どもに言うように『だからこうじゃないか!』なんて怒鳴らないですよね。どう言ったら伝わりやすいかな、どう表現したら相手が動きやすくなるかな、ということを恐らく考えるはずです。なのに、相手が自分の子どもになった途端、子どもを子どもとして見てしまうから、その観点が抜けて、怒鳴れば言うことを聞く、無理やり急かせば良い、みたいな感じになってしまうのだと思います」

 てぃ先生からお母さん方や保育士に向けたメッセージが、YouTube動画の説明文に書かれています。

 「何よりも『そもそもそれができる心の余裕を持てるか』が重要なポイントですので、お子さんのことと同じくらい、ご自身の幸せを大切にしてほしいと願っています。綺麗事、耳ざわりが良い言葉に聞こえるかもしませんが、皆さんがお子さんを大事に想っているのと同様に、僕は皆さんの子育てや保育を大事に、そしてそれがより良いものになったら嬉しいと思います。上手くいかない方法や情報をアップしてしまうこともあるかもしれませんが、ほんの少しでも皆さんの子育てや保育のお役に立てれば幸いです。心の底から応援しています」

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