名古屋市指定のごみ袋がインターネット上で注目を集めています。市内のとあるスーパーで会計時に有料レジ袋を希望すると、手付きタイプの市指定ごみ袋を販売してくれるというのです。レジ袋兼ごみ袋というこのアイデア、実は10年以上前から導入されている取り組みでした。
投稿者「再利用しやすく非常に便利」
名古屋のおすすめグルメや新店情報をTwitterで発信する「名古屋グルメ探偵アスカイ」さん(@gourmet_nagoya)は6日、Twitterを更新。「名古屋市では指定の可燃ごみ袋をレジ袋として渡してくれるお店が多くて無駄にならず重宝しています」と写真付きで投稿しました。投稿を見たユーザーからは「いいアイデア」「このシステムうらやましい」「めちゃくちゃ便利」などの感想が寄せられ、いいねの数は5.5万を超えています。
名古屋グルメ探偵アスカイさんに話を聞きました。
ーーあの写真はどこのスーパーですか?
「大須の『生鮮食品館サノヤ』さんです」
ーー「レジ袋兼ごみ袋」の感想を教えてください。
「自分や家族が使うだけの日常用であれば再利用しやすく非常に便利だと思っています。もともと生活するうえで必要なゴミ袋を買う回数も自然と減るのが良いですね」
ーー投稿に5万以上のいいねがつくなど、大きな反響です。
「ここまで反響が大きいとは思わなかったので驚いているのと、その大半が『素晴らしい、全国的に広まってほしい』といった賛同の声でうれしかったです」
名古屋グルメ探偵アスカイさんによると、名古屋市内では他にも地域密着型のスーパーなどで同様のサービスを行なっている店もあるそうです。
名古屋のスーパー担当者「今さら!?」
SNS上で「うちの自治体でもやってほしい」という声が上がったこのシステム。名古屋市役所の担当者に確認したところ、市としての取り組みではなく、小売店独自のサービスということが分かりました。
1929(昭和4)年創業のディスカウントスーパー「生鮮食品館サノヤ」(名古屋市中区大須)の担当者にネット上での盛り上がりを伝えると「今さら!?」「他の地域ではやってないんですか」と驚いた様子。それもそのはず、同店では10年以上前からレジ袋代わりに名古屋市指定の「家庭用可燃ごみ指定袋」を導入していました。
当初は無料で提供していましたが、2020年7月にレジ袋有料化がスタートしてからは手付きタイプ10リットル用を1枚2円で販売。同タイプはネット通販では100枚入り335円、50枚入り231円などで販売されているため、「他より安く提供しているのでお客様からは『安くて助かる』とお声をいただいております」(同店担当者)。
千葉市×ミニストップは実証実験も
「レジ袋の代わりに千葉市指定袋を購入しませんか?」
千葉市とコンビニ「ミニストップ」(本社、千葉市美浜区)は2020年3月から11月まで、プラスチックごみ削減に向けた取り組みとして、レジ袋代わりに「指定可燃ごみ袋(10リットル)」を販売する実証実験を市内3店舗で実施しました。
実験内容は、お会計の際にレジ袋の購入を希望する顧客に対し、レジ袋とごみ袋のどちらかを選択してもらうというもの。通常10枚1組80円のごみ袋を1枚8円で販売しました。
千葉市環境局資源循環部収集業務課の担当者によると、実験当初はごみ袋と印刷されている袋に商品を入れることに抵抗があるという声もあったそうですが、開始後は好意的な意見が多く寄せられたといいます。販売数も堅調だったため、期間終了後も継続して実施中だそうです。
「今後、広く導入されるように実験実施店舗から要望のあった単品販売用バーコードを可燃ごみ袋に付記することで販売店舗での効率性、利便性の向上を図るなどの促進策を講じていきます」(千葉市担当者)