旅の願いごとの中に「4A成功を」 航空機の父が建立の飛行神社にフィギュアファンが相次ぎ奉納

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 水面いっぱいに浮かんだおもちゃの飛行機たち。京都府八幡市にある神社の水鉢が「かわいい」と話題です。おもちゃの飛行機には、参拝者それぞれの願い事が書かれています。最近では、あのフィギュアスケート選手のファンによる奉納が増えているとか。どういうことか、神社の宮司に聞きました。

 話題の水鉢があるのは、京都府八幡市にある飛行神社です。飛行神社は「日本の航空機の父」と呼ばれる二宮忠八(1866~1936年)が建立した神社です。

 水鉢は、飛行神社の入り口付近にあります。おもちゃは「ぷにゅ丸くん」というポリウレタン製で、全長10センチほどの大きさです。

 神社は今年春から手水(ちょうず)に花を浮かべる「花手水」を実施していました。しかし、夏は猛暑で花がすぐ傷んでしまいます。花の代わりになり、かつ飛行神社ならではの浮かぶものを探していたところ、飛行機の玩具メーカーから「ぷにゅ丸くん」を提案されたそうです。

 新型コロナウイルスの感染拡大による需要の低迷で航空業界やその関連産業は、大きな影響を受けています。空港にある土産店や土産品製造業者も、影響を被っている業種の一つ。飛行神社の友田享宮司と親交のある飛行機の玩具メーカーも、厳しい経営状態に置かれていました。

 そこで、友田宮司は、単に手水におもちゃを浮かべるだけでなく、飛行機玩具メーカーの支援になる方法を考案。「ぷにゅ丸くん」の胴体部分に願い事を書いて奉納してもらう「飛行機手水」を8月から開始しました。

 10月になり涼しくなった現在は、花が長持ちするようになったため花手水を再開。手水鉢の横に飛行機を浮かべる専用の水鉢を設けています。

 当初は「早く飛行機に乗りたい」「旅行したい」という願い事が多く書かれていたといいます。しかし、最近になって「4A成功」などと書き、ANAのおもちゃを奉納する人が急増しました。

 友田宮司によると、ANA所属のフィギュアスケート選手羽生結弦さんのファンだそう。ファンは4回転アクセルなどの成功を祈願していきます。

 飛行機の奉納品には、航空業界と羽生結弦選手のさらなる「飛躍」への願いが込められているようです。

 おもちゃの飛行機は全日空、日本航空、スターフライヤーの3種類があります。初穂料は1機700円です。

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