歯列矯正にもインプラントが活躍?世界的に注目される歯科矯正用アンカースクリュー

ドクター備忘録

木村 正信 木村 正信

 近年、矯正の現場でもインプラントが活躍しています。通常のインプラントより小型の歯科矯正用アンカースクリュー(ねじ)を用いた新しい矯正方法です。インプラント矯正の登場によって今まで難しいとされていた歯の動きが可能になり、症例の幅も広がっているのです。

インプラント矯正って何?

 通常、インプラント治療といえば、欠損歯の患者さんのあごの骨にインプラント(人工歯根)を埋め込み、根元から安定させて人工の歯を埋め込み、新しい歯を再生させる技術のこと。その技術を応用したのが、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療「インプラント矯正」です。

 直径約1.3~2.0mm、長さ約4~8mmほどの小さなアンカースクリュー(ねじ)を顎の骨(歯槽骨)に植え込み、歯を移動していく時の固定源として用いる新しい治療法です。この方法を用いたインプラント矯正は世界的に普及が進んでいます。

 インプラント矯正の利点は、治療期間の短縮や従来の矯正歯科治療では動かすのが難しかった方向にも歯を動かせるようになったことと言えるでしょう。

 また、抜歯が必要な症例も、アンカースクリューを用いることで抜歯をしないで歯並びを直すことが可能になりました。

 患者さんが気にしていた「矯正は目立つ」という点も、インプラント矯正ならヘットギアなど装置の多くが不要になり、見た目や違和感も従来より患者さんの負担を軽くすることができたと言えるかもしれません。

インプラント矯正の施術工程は?

 では、インプラント矯正はどんな流れで行われるのでしょうか。

① カウンセリング
   ↓
② アンカースクリューを植える場所のレントゲン撮影
   ↓
③ 施術部位の消毒
   ↓
④ 表面麻酔
   ↓
⑤ インプラントアンカーの埋入
 ※植え込みにかかる時間は1本あたり約5~10分程度です。

 アンカースクリューを植え込んだ後は、通常2週間、3週間から1カ月ほど様子を見てから、矯正治療に使用します。なかには、すぐ使用できることもあります。

インプラント矯正の治療が終われば?

 通常のインプラントと違い、矯正用のインプラントのアンカースクリューは、矯正治療が終われば、外します。また、抜き取った場所の歯肉は数日ぐらいで治り、アンカースクリューが挿入されていた歯肉の下の骨も1カ月程度で再生修復されます。

 矯正の現場でも、インプラントを応用したこのような矯正が増えると言えますね。

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