譲渡会で人気のなかった三毛猫 里親先では人も犬もメロメロにするツンデレなお嬢様猫に

渡辺 陽 渡辺 陽

野良猫が産んだ子猫

埼玉県に住む青木さんは犬2匹と猫1匹を飼っていたが、2016年に愛猫が20歳で天国へ。その後は9歳のボストンテリアと7歳のイタリアングレーハウンドと暮らしていた。2020年の年末に、保護団体の人と知り合いになり、譲渡会に参加したという。そこで出会ったのが、三毛猫の美音ちゃん(1歳・メス)だった。

仏頂面の猫

譲渡会に行く前には、青木さんはお目当ての猫がいた。だが、会場へ行ってみると、その猫はおなかを壊していて譲渡会デビューが見送られていた。がっかりしてその場を後にしようとした時に、もうすぐ1歳になる美音ちゃんに目が留まった。

「隅っこで大人しく、小さくなっていたのが印象的でした」

聞けば、美音ちゃんは2020年4月、野良猫が預かりボランティアの家で産んだ子猫だという。子猫は全部で4匹産まれた。「一緒に産まれた3匹のきょうだいはすぐに里親が決まったそうですが、少し顔の模様に特徴のある美音にはなかなか声がかからなかったそうです」(青木さん)。引き取り手が見つからず、譲渡会の常連になりつつあった。スタッフが譲渡会へ行く準備を始めると、行きたくないのか美音ちゃんは逃げまくった。

人気がなく、当日も仏頂面だったが、青木さんはそんな美音ちゃんに惹かれた。トライアルを希望すると、「預かりボランティア宅の他の猫となじめなかった、気難しいところがあるのでトライアルには3か月以上かかるかもしれない。長い目で見てあげてください」とスタッフに言われた。

青木家のお姫様

同年4月25日、預かりボランティアが自宅まで連れてきてくれて、トライアルがスタートした。数日間リビングに置いた3段ケージの中で過ごさせて、自分から出てくるのを待った。

初日はごはんも食べず、水も飲まなかったが、2日目には青木さんの手から少しごはんを食べ、3日目には完食、ケージから出たがる素振りも見せたという。先住の犬たちはかつて一緒に住んでいた猫のおかげで「猫慣れ」していたため、すんなり美音ちゃんを受け入れた。1週間もすると美音ちゃんが普通に生活し始めたので、保護団体の人も驚いていたという。美音ちゃんは、1歳を迎えた5月7日に正式に譲渡された。

初めから「みおん」という可愛い名前をつけてもらっていたので、慣れ親しんだ名前を変えず、「美音」という漢字をあてた。「実際、美音の鳴き声は『みお~ん、みお~ん』と聞こえるんです」。美音ちゃんは、これぞ三毛猫!という性格で、やんちゃでツンデレだが甘えん坊。犬たちに上手に甘えて、犬達が一緒に寝ていると「私も入れて!!」とグイグイ間に入っていく。

「我が家に女の子をお迎えするのは初めてだったので、女の子の魅力に主人も私も犬達もメロメロ。お姫様状態です」

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