観光客激減で苦しい京都の酒店が思い切ってチェンジ!「リピーターの子どもも」と大盛況

京都新聞社 京都新聞社

 京都市右京区の酒店が、観光客向けの日本酒試飲スペースを駄菓子販売コーナーに切り替えたところ、地元の子どもたちから好評を得ている。多い日には親子連れら100組以上が来店し、コロナ禍で酒類の売り上げが激減する中、店は「地元の方に足を運んでもらえるきっかけにしたい」と期待する。

 嵯峨釈迦堂大門町の「酒商 おまっとう」。飲食店の営業時短の影響で売り上げは大きく落ち込み、店舗の一部に設けていた20種類以上の日本酒が味わえる試飲スペースも観光客の激減を受け、2月に閉鎖した。

 飲食店への販売や観光客の来店が見通せないことから、「お酒に興味がない人でも店に立ち寄ってもらおう」と、試飲スペースだった場所で7月から駄菓子販売を開始。同店専務の小松義明さん(48)は「子どもも大人も好きな商品は何かと考えた時に思いついた」と語る。

 駄菓子コーナーは約33平方メートルで、ラムネ菓子やガムなど100種類以上が並ぶ。スナック菓子の「うまい棒」も20種類近くを扱っている。通りすがりの小学生の集団や親子がひっきりなしに訪れており、お気に入りの駄菓子を手に取っていた。小学生の娘と一緒に来た近くの主婦(44)は「近所に楽しめる場所ができてうれしい。どんなお酒があるかも今度見て帰りたい」と話した。

 店外の張り紙では、店が薦める日本酒と合うスナック菓子の組み合わせも紹介する。小松さんは「地元にとって、楽しい場所をつくることでお店のことを知ってもらえれば。お酒に興味がなかった人にも手に取ってもらう機会にもなってほしい」と話す。

 駄菓子コーナーは、平日は午後2~6時、土日曜は午前10時~午後5時に営業。同店075(871)0138

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