身体も心も鍛え上げられた世界中のアスリートが集う東京オリンピック。その熱戦の地から遠く離れた神戸の動物園で、「こんな強烈なアスリート見たことない!」と絶賛されるボブキャットがいます。その気になる競技種目は“球技”。メーカーから愛のこもった新品ボールをプレゼントされ…ニャリンピック開幕です!
まさかのプレゼント!
ところは、神戸市立王子動物園。トラやジャガーに比べれば小さいものの野性味あふれるヤマネコたちが暮らす通称「王子猫長屋」に暮らすボブキャットのメス「ソラ」(7歳)のおうちの前に、大きな大きなボール入りのカバンを引っさげた方がやってきました。
取り出されたのは「molten」のロゴが輝くバスケットボール、サッカーボール、ドッジボールの3個のボール。ソラは、耳の飾り毛をピンっと立て、頬のフサフサ毛を膨らませ、短い尻尾をフリフリしながら、ガラス越しなのに今にも襲いかかりそう。
早速、同園公式アカウントも「オリンピックに因んで、株式会社モルテン様から、ボブキャットの『ソラ』にボールをいただきました。早速遊んでいます! モルテン様ありがとうございます」とツイート。
そうなんです、あのスポーツ用品でおなじみの「モルテン」(本社・広島市)さんが、とうとうホントに来てくれたのです。というのも、同園では以前からネコたちの遊び道具としてボールを与えていました。鋭い牙と爪で、新調してもすぐにボロボロに。それでも当のネコたちは楽しそうに遊び、その様子は来園者らのSNSでよく流れ、時々、「そろそろ新しいのが欲しいニャ」「モルテンさーん」と呼びかける声も。そしていつしかモルテン公式ツイッターの「中の人」とファンとの交流が生まれたのでした。
広島から朝イチの新幹線で...に史上最高「いいね」
「水族館などでよくアシカさんに使ってもらっているのは知っていましたが、動物園で? ネコが?と意外でした」と中の人。動画や写真で見るうちに、「いつかソラちゃんに会いたい」「新しいボールをプレゼントしたい」と思うように。東京オリンピックが紆余曲折の末に開幕し、ぜひこの期間中に実現したいと思っていたところ、ようやく来園のチャンスが。広島から朝イチの新幹線で駆けつけ、プレゼント後はすぐに次の所用先へ向かったのでした。
同社から動物へのボールプレゼントは今回が初めて。「蹴って、投げて、噛んで!ソラちゃん盛り上がっちゃって!」とツイートすると、当ネコに代わってファンから感謝のコメントが。当のボブキャットのソラは、まずは「空色」と黄色が配色されたドッジボールを貰うと、中の人の願い通り、蹴って、投げて、噛み付いて大喜び。ロゴがよく見えるようポーズを取ったのは、「ありがとう」の気持ちの表れですね!
同園の広報担当も、「ファンの方のツイートを一流メーカーさんが目に止めてくださり、わざわざ来園してプレゼントしていただいたことに感激です。こういうご縁もあるんですね」としみじみ。
「プレゼントを報告したツイートにはモルテン広報史上最高の『いいね』いただきました! 一撃でこんなにダメージを与えてしまうとは…こんなすごいアスリート見たことないですよ」と中の人もあらためて絶賛。それにしても新品ボールをすぐに原型をなくすほど痛めつけてしまうのは明らか。メーカーさんとしては複雑なのではと心配しましたが、「ボールは消耗品。使い倒していただく方が嬉しいです。でもせめてオリンピックの間だけでももってほしいですね。できれば夏休み中も…」と本音もポロリ。さて、どうでしょう??