新宿では巨大な猫が現れたことでも話題になりましたが、渋谷ではスクランブル交差点にある日本初の巨大3Dビジョンでナインティナインが登場。しかもどの位置から見てもナイナイの2人と目線が合うというなんとも不思議なデジタルサイネージ。なぜ3Dに見えるのか? また、どこから見るのがベスポジなのか調べてみました。
立体に見えるのはどういう仕組み?
巨大な3Dビジョンを流しているのは、薄毛治療を専門とする「Dクリニック」。CMの内容は同グループが販売しているアンファーのヘアケア製品「スカルプD」で、CMソングでおなじみの「さぁ立ち上が~れ~♪髪の毛たちよ~♪」の曲を、ナインティナインの2人が熱唱するという内容です。
制作したのは屋外広告を専門に取り扱う「ヒット」という広告会社。業界に先駆けて肉眼で見える3D広告放送を2019年にスタートさせ、研究、テストを重ね3Dビジョンの技術を活用することで、商品化へのプロジェクトとして2020年に本格化したそうです。さっそくお話を伺ってみました。
――どういう経緯で3D広告を作ったのでしょうか?
「日本中にエールを送りたい」というDクリニックの想いにより、今回の立体CM第一弾が実現しました。渋谷スクランブル交差点にある「シブハチヒットビジョン」のサイズは、縦17.28メートル×横24.32メートル、面積420平方メートルという、単面での広告用デジタルサイネージとしては日本最大級の大きさです。
――どうして肉眼でも3Dに見えるのでしょうか?
基本的には、屋外ビジョンを見る人の目線の向き、見え方に合わせて映像を制作しています。目から入った情報に対して脳が補正をかける視覚調整の「錯視」も利用するために撮影やCGでの緻密な計算とともにさまざまな映像テクニックを駆使しています。詳細は企業秘密です。
――どの位置から見るのが一番オススメなのでしょうか?
メインは「ハチ公前広場」ですが、「渋谷駅南口側歩道橋上」「宮益坂下」からの視認性もよくオススメです。
どこから見るのが一番立体感や迫力があったのか?
オススメされた3つのスポットに2つ追加し計5スポットでの立体感や迫力を調べてみました。
「ハチ公広場前」は木の葉が生い茂ってきてちょっと見えにくくなっていたため、忠犬ハチ公がいるところから、さらに看板の方に近づいた「渋谷駅ハチ公口」というバス停から見ました。ここまで来るとさすがの大迫力で音もよく聞こえます。渋谷ハチ公前で誰かと待ち合わせするときに見るのもオススメ。
「渋谷駅南口側歩道橋上」は、一番3Dビジョンに近づけますが、ちょっと斜め下から見る感じ。それにガラス越しのため音もちょっと小さくなっています。天気の悪い日に見るのもオススメ。
「宮益坂下」は3Dビジョンから距離があるためインパクトはなく、音も聞こえませんが、立体感が一番キレイに見えました。遠くから見てもナイナイがビルから飛び出てくる感じがしてちょっとビックリします。宮益坂を下りて渋谷駅に向かっているときにオススメ。
オススメではありませんでしたが「渋谷駅」からも見てみました。ここは人が激しく往来しているので、邪魔にならないように渋谷駅ビルの外壁にある、忠犬ハチ公のレリーフの壁に背中を付けながら見ました。音も聞こえるし、ポジションとしてはいい感じ。混雑していないときにオススメ。
ちょっと意地悪してスクランブル交差点に面している「SHIBUYA TSUTAYA」付近からも見てみました。こんなバットポジションでも立体に見えるし、ナイナイとも目線が合うのは驚きです。問題はスクランブル交差点の角なので人混みがすごいことです。こんな位置でも立体に見えて目線が合うというのを確認したい人にオススメ。
どのポジションでも一長一短がありましたが、立体感や奥行き感もあり、影もちゃんと出ていて巨大なナイナイがいる感じに見えました。今後は3Dのデジタルサイネージが定番になってくるのかもしれません。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』に出てきた、『ジョーズ19』の3D広告も実現したら面白いですね。
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「Dクリニックの」の放映期間は7月5日~8月1日の予定です。放映期間は通常時は7~24時(17時間)で、現在はまん延防止等重点措置のため、7~20時(13時間)になっているとのこと。また渋谷の「シブハチヒットジョン」の他にも、大阪の中心地・道頓堀の「ツタヤエビスバシヒットビジョン」でも放映されます。お近くの人はぜひいろいろな角度から立体に見えるのか確かめてみては?