山麓にある本物の廃墟で肝試しはいかが? 廃ホテルを丸ごと1棟使った新感覚ホラーイベント

黒川 裕生 黒川 裕生

廃墟、それはロマン。廃墟、それは心霊スポット。でもいくら興味があるからといって、勝手にほいほい入ってはいけない。何故ならその行為、不法侵入(住居侵入罪)に当たるかもしれないから。「でも廃墟に行ってみたいよう!」とお思いの皆さん、合法的に廃墟探訪を楽しめるスポットがこの7月、神戸の六甲山麓某所に誕生しましたよ。

本物の廃ホテルを使った新感覚の逃亡型ホラーアトラクション、その名も「きもだメッセ」。打ち捨てられたホテルのおどろおどろしさを五感で味わいながら、建物の暗がりに潜む何者かの襲撃からひたすら逃げまくる「生存本能破壊型の最恐アトラクション」(キャッチコピーより)である。

舞台は、約2年前に廃業したという3階建てのラブホテル跡。周辺には同様のホテルが何軒か並んでいるが、この「きもだメッセ」のように、中には長く廃墟になったままの建物もある。

「きもだメッセ」は、ホテルの運営管理やコンサルティング業を展開するGG.PRO社(大阪市西区)が、物件オーナーの許可を得て内部を改装。あちこち傷んだ廃墟の雰囲気をそのまま生かし、1棟丸ごと“お化け屋敷”として生まれ変わらせた。同社によると、業界初の試みという。

都市伝説を紹介する4人組のYouTuberが、謎の映像を残して消息を絶ったという設定の廃ホテル。実はここ、若いカップルを拉致監禁するための館で、彼らは“生贄”になったらしいのだ。えらいこっちゃ。

参加者はブルーシートで覆われた壁面にぽっかり開いた四角い穴のような入り口から中へ。頼りになるのは、受け付けで渡されるランタンの明かりのみだ。実際に使われていた部屋や廊下をいくつも通り抜けて出口を目指すのだが、真っ暗な廃墟の中では、不気味な叫び声やドアをバンバンと叩く音があちこちから四六時中響いてくる。挙句はベッドの上に血まみれの死体まで…!?

「きもだメッセ」は2020年、滋賀県彦根市にある廃ホテルで第1弾を開催。企画したGG.PROの大福地元仁さんは「このような形で廃ホテルを再活用することは、収益確保や安全な管理にもつながる」と強調する。というのも廃墟は不法侵入者に荒らされることも多いので、建物の安全性だけでなく治安面でも課題を抱えているのだ。大福地さんは、こうした廃墟イベントが、課題解決と地域の活性化につながることを期待している。

オープン記念価格は、2人だと平日1900円、金曜2200円、土日祝2400円(いずれも1人当たり)など。最大4人までで、人数が増えるごとに1人当たりの料金は安くなる。開催期間は2021年末までの予定。申し込み方法など、詳しくは公式サイトで。

【きもだメッセ】https://www.kimodamesse.com/

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