米国の有名ランジェリーブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」が大改革に着手することを発表した。1977年に設立された同社は、スーパーモデルたちが、セクシーなランジェリーに、天使を示す巨大な羽をつけたファッションショーで知られていた。これらはテレビ中継もされていたが、ここ数年、市場シェア率が低下し、業績不振に陥っていた。
同社の改革を報じた6月17日付のニューヨークタイムズ紙は「ヴィクトリアズ・シークレットの天使たちは、バービー人形のボディ、プレイボーイの夢の象徴だったが、今はもういません。本物のダイヤをつけた『ファンタジー・ブラ』も、もうありません」と書き出している。
要するに、これまでヴィクトリアズ・シークレットの商品は、男性が求めるセクシーな女性のランジェリーというコンセプトで作られ、売られてきたということだ。
しかし、次第に社会の変化から取り残されるようになった。ヴィクトリアズ・シークレットのセクシーさや美しさの概念は、古い女性らしさを助長するものであり、限られた体型にあわせて作られたものと批判された。このような美を理想とするのは、排他的で時代遅れとみなされ、消費者離れを招いていた。特に、性被害を告白し、撲滅を呼び掛ける「#MeToo」運動以降は、ライバル社から遅れたようだ。
今、「セクシーさ」の定義の変更を迫られている。
同社は社運を賭けて、7人の女性をVSコレクティブに抜擢した。VSコレクティブは新たな広告出演やブランドへのアドバイザーの役割を果たすことになっている。
この7人のなかには、女子サッカープロ選手でLGBTQIA+(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョン/クィア、インターセックス、アセクシャル、+)の運動家でもあるメーガン・ラピーノ、プラスサイズモデルのパロマ・エルセッサー、インドの女優であり、投資家でもあるプリヤンカ・チョープラ、17歳のフリースキー選手のアイリーン・グーらがいる。
同社は「私たちは、世界有数の女性の支持者となるために素晴らしい旅を続けています。これは私たちのブランドにとって劇的な変化であり、私たちの中心から受け入れています」と声明を発表した。