遺品のベースボールカードがお宝鑑定で総額22億円 米国の医師が収集した1000枚のコレクション

谷口 輝世子 谷口 輝世子

今年1月、米フロリダ州の医師トーマス・ニューマンさんが73歳で亡くなり、遺品として1000枚以上のベースボールカードが残された。オークション会社の「メモリー・レーン・オークション」がお宝鑑定をし、これらのカードの価値総額は2000万ドル(約22億円)以上と見積もって、米国内で話題になっている。

ニューマン医師は子どものころにもカードを集めていたが、母親に捨てられてしまった。そのことが、収集の熱心さに拍車をかけたようだ。息子のスチュワート・ニューマンさんは「父は10歳から12歳のころ、1957年と1959年の野球カードを集めていました。このカードは、宝箱にしていた靴の箱に入れていたのですが、お母さんが後になって捨ててしまったんです。父は1980年ごろから、ベースボールカードを集めるようになったのですが、まず、1957年と1959年のカードを集め始めました。捨てられた大切なカードの代わりとしてです」と話している。

ニューマン医師は、全米スポーツコレクターズコンベンションに出かけ、休憩もせずに会場を歩きまわり、ベースボールカードを収集していたそうだ。

妻のナンシーさんは、「トムほどコレクションを楽しむ人はいませんでしたよ。彼は冗談でカードをペーパーベイビーと呼び、毎日のように何らかの形でコレクションを楽しんでいました。それが彼の喜びだったのです」と、在りし日のニューマン医師の姿を振り返った。

ニューマン医師のコレクションは、6月21日から7月10日まで「トーマス・ニューマン・コレクション」としてオンラインオークションにかけられる。ニューマン医師のレガシーを、ベースボール・カードの収集家たちのコレクションに加えてもらうためだ。

オークションにかけられるカードには、めったに見つけられないカードが多数含まれている。1880年代のカードもあり、なかでも1933年のベーブ・ルースのカード(Goudey#53,PSA9)は、スポーツカードのオークション落札の最高額を更新するのではないかと言われている。

今年1月には、時代を越えたスター、ヤンキースのミッキー・マントルのベースボールカードが、トレーディングカードとしては史上最高額の520万ドルで落札され、今月には野球の神様、ベーブ・ルースの19歳のカードが、さらに最高額を更新し、600万ドルで売買されている。果たして史上最高額が、またもや更新されるのだろうか。

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