コロナに強い“新兵器”冷凍自販機が爆誕! その名も「ど冷えもん」がバカ売れ、発注追いつかず

山本 智行 山本 智行

 コロナ禍に順応した飲食店の心強い味方として冷凍自動販売機「ど冷えもん」を設置する動きが全国的に広がり、メディアでも話題になっている。ラーメン、餃子、唐揚げといった人気メニューを24時間、非対面、非接触で購入できるのが人気の理由。斬新なネーミングの未来型自販機が飲食店の救世主となるか。

 さすがに「ボク、ど冷えもん」とはしゃべらないが、この新型冷凍自販機がこれまでのものと大きく違うのは、さまざまな容器の形状に対応できるマルチストック方式を業界で初めて採用しているところ。冷凍商品を収めるストッカーのバリエーションが4パターンあるため、一般的な冷凍食品のみならず、サイズの異なる人気ご当地メニューなど1台で最大11種類の商品を冷凍販売できるのが強みだ。

 見た目はいたって普通で重さは280キロ。サイズは幅1030×奥行き797×高さ1830(mm)と屋内外のちょっとしたスペースにも設置しやすい。飲食店にとっても消費者にとってもうれしいことばかりで、テイクアウトや閉店後の店頭販売など用途は広く、24時間いつでもどこでも販売、購入できる。しかも、非対面、非接触。少し味気はないが、人件費を抑え、衛生面でも安心感があるなど双方にメリットがある。

 支払いは電子マネーやQR決済によるキャッシュレス対応。販売代理店の浦部知之さんも「データ管理もインターネットを通じて遠隔操作でき、売り上げの状況や在庫の確認できるので、効率的なオペレーションが可能」と話す。

 さらに、いまの時代にマッチしそうなのが何よりも冷凍販売ということで世界的な問題になっている食品ロスを抑えられる点だ。業界関係者も「これはいい」と太鼓判。また、この6月1日からは食品を取り扱うすべての事業者に衛生管理を徹底するHACCP(ハサップ)が義務化される点も追い風になりそう。

 そんな「ど冷えもん」を開発したのは、アイスクリーム用の冷凍自動販売機などを中心に製造、販売してきた「サンデン・リテールシステム」(東京都墨田区)。これまでは決まった大きさの容器を入れる冷凍自販機が当たり前だったが、コロナ禍による時代に即した需要に応え、不特定サイズの商品に対応できる自販機に着目し、開発したという。

 「パリッとしていたり、サクッとしていたり、ジューシーだったり。お店の味が再現できる」と飲食関係者。今年2月に東京・四谷三丁目駅近くのラーメン店「大平軒」で初めて設置されると、その後は全国にまたたく間に普及し、エビフライ、馬刺し、精肉の自販機なども登場した。自販機によってはラーメン対決、餃子対決などをあおる企画も実現。さらに、冷凍技術の進歩とも重なり、東京・築地では近々、マグロやウニ、イクラも販売されるという。

 そんなことから「サンデン」によると、全国から注文が殺到し、生産が追いつかないほどだとか。代理店の浦部さんは「非接触はひとつのキーワード。今後は駅の切符売り場も縮小傾向にあり、自販機を設置するスペースが生まれるでしょう。さらに、閉店後のスーパーで冷凍食品が販売できたり、マンションや住宅街、テナントビルでもニーズはあると思います」と期待を寄せる。

 もちろん、たこ焼き、お好み焼き、チヂミ、お寿司なんかとも相性は良さそう。コロナ禍というアゲインストの風が生んだ側面もある「ど冷えもん」。しかし、非対面、食品ロスの削減といった世相、風潮を受け、コロナ後も存在感を発揮しそうな予感がする。

「フローズン24」 https://frozen24.studio.site/
担当・浦部(f24@so-bo.biz)

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