一口に「シングルマザー」といっても、収入や生活環境は家庭ごとに異なります。中でも所得に応じて支給される「児童扶養手当」は低所得世帯のシングルマザーにとっては生活していく上でとても重要なお金です。しかし、シングルマザー同士でもその手当やひとり親給付金などで足の引っ張り合いがあるんです。
支給対象?非対象?
新型コロナウイルスのひとり親臨時給付金や児童扶養手当には、所得制限やパートナーとの関係性が大きく関わってきます。
パートナーとの関係性は事実婚(三親等外の異性との同居・生活費の援助・特定の異性の定期的な自宅への訪問・宿泊などが該当します)になると支給停止になります。
また、扶養している人数によって所得制限の上限があり、収入が多い場合には減額もしくは停止になります。
そのため、これらに該当するとシングルマザーだとしても給付金を受け取れないこともあります。
国の税金から支給されている児童扶養手当や給付金。このことにより、シングルマザー同士の亀裂を深めています。
ママ友からの通報
私の友人Aさん(20代・パート)はシングルマザーとして2人の子どもたちを育てています。子どもたちがまだ小さいこともあり、時間の融通がきくパートとして仕事をしているため、どうしても低所得になってしまいがち。支給される手当はとても重要だと話します。しかし、そのことについて仲良くしていたママ友のBさん(40代・自営業)から「どうしてうちはダメだったのに、Aさんちは手当が支給されているの!?」と根掘り葉掘り聞かれたといいます。
Bさんは子ども3人を育てるシングルマザー。Aさんは子どもを通して仲良くなり、普段からお互いにいろいろな相談をしていたそうです。Aさんから聞くところによると、Bさんは自営で保険代理店を行っていて、年収は約500万円程。Aさんより扶養している子どもの人数は多いのですが、年収が所得制限を超えているため、支給対象外になってしまったそうです。
しかしそれが気にくわないBさん。なんと行政機関に対し、「Aさんには事実婚の相手がいる!不正受給だ!」と通報したというのです。
突然行政から説明を求められ驚いたAさん。事実婚どころかパートナーもいないのに、「なぜこのような通報があったのか分からない」と知り合いに愚痴をつぶやいていると、あるママ友から「Bさんが、Aさんのことを通報してやったと自慢げに話していた」ことを聞きました。Aさんはとても傷ついたそうです。
問題のママ友と距離を置く
この件があり、Bさんと距離を置くことにしたAさん。はじめは「どうして」と考えたこともありましたが、Bさんにもなにか事情があったのかもしれないと考えたそうです。さらに被害を受ける前に少しずつ離れることで波風立てず、被害を最小限にすることにしたのです。
その結果、Bさんからさらなる通報やそれ以上大きな被害を受けることは免れたそうです。