コロナ禍での「猫との共生」女優・川上麻衣子が伝えたいこと…6月にキャットアカデミー開催

北村 泰介 北村 泰介

 猫の飼い主が新型コロナウイルスに感染したら? 老猫に寄り添うことから見えてくるものは…。猫と共生する人が抱える切実な思いを受け止め、気づきを与えてくれる企画がある。一般社団法人「ねこと今日 neko-to-kyo」の理事長を務める女優・川上麻衣子は6月5、6日の2日間、オンライン講座「キャットアカデミー」を開催する。川上は当サイトの取材に対し、「猫との共生」について語った。

 同企画には川上も含めて5人の講師が登場。川上は「アカデミーで1番に伝えていきたいのは、人と猫との共生です。猫は人の心の機微にとても敏感です。人が幸せでなければ猫を幸せにすることはできない。そう信じることで、まず何をするべきなのかを考えていきたいと思います」と、通底する「基本」を説明した。

 ウィズ・コロナの時代、猫との共生から何を見出すか。

 「コロナの影響で、この夏は保護猫の数も増えているようです。1年前のステイホーム中に不足した消毒液の問題が保護猫の去勢手術に影響し、繁殖したと聞きました。一方でコロナ禍の中で猫と暮らし始めた人も増えています。猫の魅力は、家で過ごさなければならない今だからこそ余計に感じることも多々あります。早足で生きる猫たちは、あっという間に飼い主の年齢を飛び越していく生き物でもあります。共に生きて、暮らして、そして看取ることのできる幸せをしっかりと受け止めたいと思います」

 東京都などに出されている緊急事態宣言はさらに延長される。変異株などより感染力が強いウイルスが広がっている中、飼い主が感染した場合のケアについて留意することは? 昨年11月、自身も陽性となり、周囲に支えられた経験を踏まえて伝えたいことがある。

 「やはり人との繋がりが大切であることを改めて感じています。信頼できる友や、施設。そういった人や場所を健康な時に確保し、相談しながら、いざという時に助け合うことだと思います。実際にコロナに感染したことが分かった時には、予期できぬ体調の変化に加え、対処しなければならないことがあまりに多く、そこから猫を預かってくれる施設を探すことはほぼ不可能だと実感しました。コロナに限らず、不慮の事故に遭うこともあります。お財布の中に、必要な情報を入れておくことも一つの対策です」

 川上は「老ねことの暮らし」と題して講義する。このテーマを選んだ理由とは。

 「愛猫と、いつか訪れる別れの日を考えると誰もが不安になります。その最期は様々ですから、何匹看取ったとしても毎回心細くなります。私自身は5匹のネコを看取ったことで、自分自身の死生観が変わってきました。愛猫をどんなふうに看取りたいかは、自分がどんなふうに死にたいかを考えることだと知りました」

 2020年12月に第1回を開催。当初は対面での講義を計画していたが、コロナ禍でリモートでの授業となり、今回の第2回もその方式を継承する。

 「前回、コロナ禍でのアカデミーということで、リモート形式にしましたが、結果的には東京に限らず、全国の方に参加いただけるメリットを感じました。また、この一年で、多くの方々がリモートでの交流に慣れてきていることも実感します。アカデミーを2期3期と続けていくことで、仲間が増えて情報交換が広がる場所になって欲しいと願っています。獣医師の先生とは違う、飼い主ならではの情報交換が、病気の早期発見につながることもあると思います。何より、猫好きが、思う存分、猫にメロメロであることを共有できる、そんな仲間たちとの交流のアカデミーにしたいです」

 キャットアカデミーはweb会議サービス「ZOOM」を用いてのオンライン開催で、定員25人になり次第締め切る。講義内容や受講料など詳細は「neko-to-kyo」のホームページで。

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