春を報(しら)せる百円桜プロジェクト 東日本大震災から10年 桜の生長と共に振り返る

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今年3月11日に、東日本大震災から10年を迎えました。震災当時、多くの桜も津波などの被災により失われました。このことから、東北の人たちが毎年見てきた桜の花を再びみんなの手で咲かせたいという気持ちから、日本気象協会では2012年に「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」を開始しました。
今回は、震災から10年の節目として、桜の生長と共にこのプロジェクトを振り返ります。

募金会場(有楽町駅前)に設置されたパネル募金箱(2012年3月8日撮影)


震災から1年後に「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」始動

東日本大震災から1年後の2012年3月、日本気象協会では東日本大震災の被災地へ桜の植樹活動を支援するプロジェクトとして「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」をスタートさせました。このプロジェクトは、東日本大震災の被災地へ桜の植樹活動を支援するために募金活動を行い、その募金を全て被災地への桜の植樹活動支援にあてるというものです。

「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」のポスター

当時、募金会場には、桜の木をかたどった大きなパネル募金箱が設置されました。
100円玉には桜の花が描かれていますよね。桜の木をかたどった募金箱に、桜の花が描かれている百円玉を入れることで、募金箱に満開の桜が咲くようにデザインされました。
多くの方から募金をいただき、募金箱の桜の木は満開に。集まった募金は総額446,700円に達しました。

募金のようす(2012年3月8日撮影)


宮城県東松島市に30本の桜を植樹 「桜ライン311」などにも参加

募金活動から約2か月後、tenki.jpでは集まった募金を使って桜の植樹活動を開始しました。
まずは、宮城県東松島市矢本上沢目への植樹を行いました。東松島市の矢本は、古墳時代から奈良・平安時代まで使用されていた「矢本横穴墓群」という古墳群で有名な場所です。
住民の鹿妻二区の皆様と一緒に、シダレザクラ15本、ソメイヨシノ15本の合計30本の桜を植えました。

そのほか、「桜ライン311」に寄付を行い、岩手県陸前高田市にベニシダレザクラ40本、オオシマザクラ10本の計50本を寄贈。さらにNPO法人さくら並木ネットワークの「桜基金」を通じて、岩手県山田町にも29本の桜の寄贈しました。
※「桜ライン311」とは「NPO法人さくらライン311」が、「桜基金」は「NPO法人さくら並木ネットワーク」がそれぞれ行っている桜の植樹活動です。いずれも、東日本大震災による津波の経験を風化させないために、津波到達地点に桜を植樹する活動を行っています。

東松島市での植樹のようす(2012年5月4日撮影)


桜はグングン生長 植樹の翌年にはシダレザクラが開花 ソメイヨシノは植樹から2年後に開花

ここからは、東松島市に植樹した桜を中心にお伝えします。
宮城県東松島市に植樹した桜は順調に育ち、植樹から翌年の2013年には、まだ添え木が必要な状態であったにもかかわらず、シダレザクラの木が見事に花を咲かせました。

初めて開花した東松島市のシダレザクラ(2013年5月2日撮影)

さらに2014年には、ソメイヨシノも開花。当時はまだ小さな木であったため、枝全体に花が咲いたわけではありませんでしたが、空に向かって伸びる枝々には、白い花がいくつも咲いていました。

初めて開花した東松島市のソメイヨシノ(2014年4月21日撮影)

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