ボランティアが飼っていた猫の中で一番やんちゃ!捨て猫だった赤ちゃん、里親宅では先住猫とすっかり仲良しに

渡辺 陽 渡辺 陽

ジャクソンくん(2歳・オス)は、兄弟と一緒に公園に捨てられていたところを保護された。保護団体のボランティアのもとで、たくさんの猫に囲まれて暮らすことになったジャクソンくん。やがて2匹目の猫を探していた手島さんに出会うが、最初、手島さんは「目つきが悪い猫だなあ…」とあまり良い印象を持たなかった。

公園に捨てられていた子猫

2019年5月16日、山口県周南市の公園で犬の散歩をしていた人が、箱に入った子猫を3匹見つけ、動物保護の会に電話をしてきた。「飼えないので保護して欲しい。かわいそうだから布をかけて置いてきた」ということだった。ただ、愛護団体も二つ返事で応じられるわけではない。「引き取りはしていないので、発見した人が保護して欲しい。飼育できないなら里親募集もできる」と説明した。

発見者は犬を飼っていて、過去に猫を保護したこともある人だったので、里親が見つかるまで一時的に保護することができると判断。発見者は了承し、一旦猫を保護してくれた。しかし数時間後、「どうしても保護できない。仕事に行くからそれまでに引き取りに来て欲しい」と電話をかけてきた。動物保護の会のスタッフは、子猫を引き取りに行った。

引き取りにはノミダニ駆除、検便検査などの医療費2,000円が必要だったが、説明すると発見者は支払ってくれた。しかし、その後は連絡が取れなくなったという。子猫たちは、引き取りに行ったスタッフが自宅に持ち帰り世話をした。

兄弟のような仲良しに

山口県に住む手島さんは、2018年9月、動物保護の会からマイケルくんという茶トラの猫を譲渡してもらった。1匹では留守番の時に寂しかろうと2匹目を迎えることにした。茶トラ猫を希望したが、当時、動物保護の会に茶トラ猫は1匹しかいなかった。その子が公園で保護された子猫、ジャクソンくんだった。

2019年8月3日、ボランティアが手島さん宅にジャクソンくんを連れてきた。ボランティア宅では当時何匹も猫を飼っていたが、ボランティアは「この子が一番やんちゃです」と言った。

「心の中で『え〜!』と叫びました。目つきが悪いし、写真と違うとも思ったんです」。それでも手島さんはジャクソンくんを連れて帰った。「ジャクソンはたくさんの猫の中で育ったせいか、すぐに我が家に馴染み、先住のマイケルにも慣れました。でも、マイケルの方がシャーシャー、ウーウーと尻尾を太く膨らませて威嚇したんです。この状態が結構続き、トライアル期間を延長してもらいました」

手島さんは、ジャクソンくんを返すのもかわいそうなので、これも何かの縁だと思い、飼う決心をした。マイケルくんの負担にならないよう、留守の時はケージのドアを開けたままにして少しずつ慣れさせた。

「何日か経って2匹が寄り添って寝ている姿を見た時は嬉しくて涙が出て、すぐに写真を撮って家族に送りました」

ジャクソンという名前は息子がつけた。難しすぎたのか、最初は呼んでも知らん顔だったが、1年半ほど経った頃、ようやく振り向くようになった。

男所帯を明るくと思い猫を飼ったが・・・

ジャクソンくんはボール遊びが好きで、両手で素早くドリブルするのが得意。手島さんは、シベリアンハスキーに似た鋭い目つきが気に入っている。

2匹は互いの姿が見えなくなると鳴いて探し回るほど仲良しになり、風呂の蓋に乗って互い毛繕いをして、終わると寄り添って眠る。夜もずっと一緒にいるという。

マイケルくんを迎える前、手島さんの夫は「猫を飼うと家を傷つけられる」と猛反対していた。しかし、今では帰宅するなり猫を抱き、就寝前には猫と遊ぶのが夫の日課になっているという。家の中もDIYでカーテンレールの上や壁にキャットウォークを作ったり、各部屋のドアも猫が出入りできる扉に改造したりした。

「よく主人が夕食のメニューを決めるのに多数決を取るのですが、なぜか猫も入っています(笑)。結局私以外オスなので...(悲)」

手島家は猫のおかげで会話が増え、賑やかになったという。手島さんは、マイケルくんとジャクソンくんに感謝している。

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