咲き誇る桜の木の下を走る車両や、葵祭の牛車とすれ違う電車-。1978年に全廃された京都市電の写真展が、京都市下京区西木屋町通仏光寺下ルの「高瀬川・四季AIR」で開かれています。市電廃止から40年余り。あの頃の春から夏にかけての京都の町へとタイムトラベルに出掛けませんか。
京都市電は、日本最古の営業用路面電車として知られます。京都市民の足として、約80年、都大路を駆け抜けました。
写真展では、ともに同志社大鉄道同好会OBの福田静二さん(71)=長岡京市=と佐々木秀隆さん(65)=同市=が撮影した約80点を陳列しています。
銀閣寺(左京区)近くでは、桜の木と市電の車両が共演しています。春の京都の祭りといえば、平安装束の行列が見ものの葵祭。京都御所(上京区)前では、牛車と市電という「新旧」の乗り物がすれ違う光景も見られました。
そして、夏。東山七条停留所(東山区)では、半袖の制服姿の生徒たちでにぎわっています。夏の京都の祭りといえば祇園祭です。祇園祭の山鉾を前に停車する電車も夏の定番でした。
撮影した佐々木さんは「当時は携帯電話もない時代で、みんなが生き生きと町を歩いていたんだなと改めて気づかされます」と話します。福田さんは「最近は外出を控えることが求められますが、写真を見て少しだけでも季節を感じてもらえれば」と話す。11日までの午前11時~午後6時(10日は午後3時~6時)。無料。