皆さん、日々の消毒液で手が荒れていませんか? 私は荒れています。
神戸・三宮でオーセンティックなバー「ローゲンジッツ」を営むバーテンダーの難波宏行さんが、アロマオイルを配合したオリジナルの除菌スプレーを考案し、「手荒れしない」「香りでリラックスできる」と反響を呼んでいます。なぜバーテンダーが除菌スプレーを…? そこには「コロナ禍と最前線で戦う人たちの力になりたい」という難波さんの熱い思いがありました。
2020年末に商品化した除菌スプレー「CAOLI LA(カオリラ)」は、エタノール75%に塩化ベンザルコニウム、天然精油(グレープフルーツ、ベルガモット)を配合。柑橘系の心地良い香りだけでなく、オイル成分が肌の表面を保護することで、使用後は手が滑らかになる感触も楽しめるといいます。
2008年にローゲンジッツを開業した難波さん。上質な空間やオリジナリティ溢れるカクテルなどで人気を博しますが、昨年はコロナ禍で休業を余儀なくされ、深刻な打撃を受けました。
店の営業もままならない中、医療従事者たちが奮闘している姿をニュースで見て、「自分に何かできることはないか」と考えるように。思いついたのが、日常的に使われる手指の消毒液にアロマオイルを配合して、除菌という“無機質で義務的な行為”を“笑顔といたわりの時間”に変えることでした。
「店では以前から、おしぼりにアロマオイルを含ませてお出ししていました。普段使う消毒液の人工的な匂いや手荒れに私がストレスを感じていたこともあって、おしぼりをヒントにして店の消毒液にアロマオイルを混ぜてみたんです。するとお客さまからも『リラックスできる』『売ってほしい』と好評で。もしかしたら必要としている人がかなりいるのではないかと思い、商品化することにしました」
難波さんは熟考を重ねながら、柑橘系の香りを調合。2020年12月に株式会社「H&B」を立ち上げ、カオリラの販売をスタートしました。当初はつながりのある人たちを中心に売っていましたが、次第に反響が広がり、各地から注文が入るようになったそうです。
実は販売と並行して、難波さんは各地の医療機関や介護施設などにもカオリラの寄贈を続けています。「この3月で42歳になり、人生の折り返しに来たと感じるようになりました。今までは多くの人に支えていただきましたが、これからは恩返しをしていきたい。カオリラを届けることは、私なりの社会貢献だと考えています」
霧のようなミストが出るよう、容器のノズルにまでこだわったカオリラは1本(内容量50ml)1600円。ユーカリの香りをベースに、ミントをアクセントとして調合したタイプとセットのギフトボックス(2本で3000円)などもあります。価格はいずれも税込み。なおカオリラは医薬品、医薬部外品ではありません。
オンライン販売のほか、ローゲンジッツ、提携する全国のバーでも購入可能。老舗帽子店「マキシン」の神戸トアロード本店でも扱っています。ショップリストは公式サイトで確認できます。
◇CAOLI LA https://handb.shop/