レトルトで世界の味を再現→今後は「魔女のメニュー」に挑戦!? 作家と初コラボ「世界のごちそう博物館」

國松 珠実 國松 珠実

世界各国の珍しいメニューをレトルトにして販売している「世界のごちそう博物館」。すでに50種類以上のメニューがレトルト販売されているが、今回、新たに3種類が加わった。今度はどこの国のごちそうかと思いきや…魔女のごちそう?

架空の世界の住人である魔女のメニューに初挑戦した、「世界のごちそう博物館」館長(オーナーシェフ)の本山尚義さんに話を聞いた。

 魔女の料理を食べてみた

魔女のごちそうシリーズは3種類。『スパイシーチョコレートチキンカレー』、『まっくろどろどろスープ』、そしてシチュー『ピーナッツの呪文』だ。さっそく食べてみた。

 チキンカレーは、本山さんが「ちょっと辛いかも」といった通り、食べると舌や唇がピリピリ!辛い!でもビターチョコのおかげでコク深い。辛味とコクですっかりやみつきになる。

きくらげと2種類の豆がたっぷりの『まっくろどろどろスープ』は、とろみのあるスープに、細切りのきくらげが絡む。まっ黒なスープとキドニービーンズの赤茶色が鮮やかで、見た目も美しい。

『ピーナッツの呪文』はマイルドで、トマトの酸味とピーナッツのほんのりした甘みが合う。トマトとナッツは、西アフリカ地域でよくある組み合わせだそうだ。

「魔女が作る料理」をイメージしただけあって、見た目も味もユニーク。

ところで、これまで本山さんが手がけたレトルトメニューは、「世界のごちそう博物館」の名の通り、世界30カ国を巡り、習い覚えた料理の味を再現したものだ。なぜ魔女なのだろう?まさか、魔女の国を巡ったか?

実は今回の作品は、神戸在住の児童文学作家、岡田淳さんとの初のコラボレーション!「魔女」は岡田作品のなかでも重要な登場人物で、テーマが「魔女」に決まったのも自然な流れだった。しかもパッケージのイラストは、岡田さんが味見をして「この味ならこんなイメージ」と、自ら描いた。

 ファンタジーはラクじゃなかった…さて、魔女の次は?

 本山さんがレストラン『パレルモ』を開いていた頃からの常連だった岡田さん。今回の企画は「料理を通じて、ファンタジーの世界に入り込みたい」という本山さんの思いから実現した。テーマも決まり、岡田さんも「いろんな魔女がいるのだから、いろんな味があっていい」と、がぜん乗り気に。

 さて、魔女が作る料理とはどんなものかと思案する本山さん。そうだ!ピンク色のスープだと、紫がかった赤色が特徴のビーツを使って挑戦してみたら、レトルト製作の最終工程で色が飛び、真っ白に変わったことも。

そうして試行錯誤の末に生み出されるメニューに、岡田さんはなかなか満足しなかった。頭の中に、しっかりと魔女のイメージがあったからだ。「うーん、もうちょっとこんな味が欲しい」と、そのたびに作り直す本山さん。「一度は、本当に心が折れかけた」と苦笑しながら白状する。

シェフと作家、2人のクリエイターが本気で作った魔女のごちそうシリーズ。「魔女が売れたら、次は竜のシリーズを」と意欲的な岡田さんの隣で、「次回はお手柔らかに」と本山さん。その名コンビぶりに、こちらもつい次回作を期待する。

この魔女のごちそうシリーズは、「世界のごちそう博物館」公式HPのショッピングサイトから購入できる。

   ◇   ◇

現在、本山さんは「世界の料理で平和のメッセージを伝え続けたい」と、クラウドファンディングも実施中。

さらに3月20日、「辰巳茶房」(神戸市東灘区岡本)にて気仙沼で水揚げされたヨシキリサメで作った、本山さん作サメカレー試食会「東北支援イベント サメカレートークライブ」もある。彼のこれからの活躍に注目だ。

■「世界のごちそう博物館」公式サイト
https://www.palermo.jp/

■「製造業者を助けて!コロナ禍だからこそ、世界の料理で平和のメッセージを伝えたい!」
https://camp-fire.jp/projects/view/374795?list=projects_popular&fbclid=IwAR2aHyDDwc9hgKrfRwfAXCYvMoDA4tMss-JBuGIwzfS4qEBP4jJzuEq9ha0

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