職場で隣席の若者は「自粛」なんてどこ吹く風 「大丈夫」と言われても…感染の不安に悩むシングルマザー

長岡 杏果 長岡 杏果

私の職場や身近な場所でも出始めた新型コロナウイルス感染者。緊急事態宣言も再度発令され、宣言が発令されていない道府県でも、飲食店などへの営業自粛の協力を仰いでいます。不要不急の外出を避け、新型コロナウイルスの感染を抑制するべく取られた措置ですが、なかなか伝わらない人もいるようです。

「自粛」って知ってる?

これは私の友人Aさん(40代、非常勤)のお話です。

Aさんの職場にいる男性社員Bさん(20代、正職員)は緊急事態宣言の自粛要請も関係なく、終業後や休日に繁華街や都市部へでかけていきます。

Bさんの隣の席であるAさんはシングルマザー。

両親は遠方に居るため、普段から家族の協力を得ることが難しい状況で2人の子どもたちを育てています。そのため、家族の誰かが新型コロナウイルスに感染してしまったら、自宅待機する以外の術がありません。

日々の買い物などの外出はできるだけ控え、行くときは1人で行き、普段から子どもたちとともに、マスクやアルコール消毒の徹底などを頑張っているんだそうです。

Aさんはあるとき、Bさんにこのことを話したそうです。そして、できるならばBさんに自粛してほしいと伝えましたが、Bさんからは「大丈夫です!人混みに行ってないし、マスクしてますから」との回答が返ってきたそうです。

自分は若者だから新型コロナウイルスにかからない、もしかかっても軽症だからと笑いながら話すBさんに対して複雑な気持ちになったと話していました。

その後のBさん

数カ月後、Aさんと電話で話す機会があり、その後Bさんの行動はどう?と聞くとため息混じりにAさんは「なにも変わらないよ…」と話し始めました。

緊急事態宣言が解除になった後、Bさんは(少人数ですが)飲み会に行ったり、車で市街地に遊びに行ったりしていたそうです。

社内でも自粛要請が出ていようと関係なく外出している様子は、他の社員の知るところになりつつあり、それでも行動を改めることはなかったそう。

あるとき、仕事の打ち合わせのために連絡すると、ガヤガヤとした騒音の中にいたらしく、「また外出しているのか…」と落胆してしまったとAさんは話します。

「もしBさんが無症状者で、感染してしまっていたら私は濃厚接触者になってしまう。そしたら子どもたちも学校を休まなきゃいけなくなってしまうかも。そのせいで風評被害に遭ってしまったらどうしよう」とAさんはかなり悩んでいました。

自分だけじゃなく、周りの人を考えて

自分だけは大丈夫!という考えが、周りに罹患者を増やす原因になることがあります。Aさんの話を聞いて、新型コロナウイルスは一人ひとりの意識をしっかり持つことで終息に向かうことができるのだと感じました。

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