公園の駐車場でぐったりしていた茶トラを保護も… 妻と別れ、愛猫もトルコへ

渡辺 陽 渡辺 陽

公園の駐車場でぐったりしていた茶トラ猫。放っておけずすぐに動物病院に連れて行くと、瀕死の猫は次第に回復し、元気になった。2月の寒空の中、すっかり懐いている猫を元の公園に戻す気にもなれず、JUNさんは猫を家族として迎えることにした。

公園の駐車場でぐったりしていた猫

2018年10月、大阪府に住むJUNさんは、自宅からクルマで20分ほどの大きな公園に夫婦で紅葉を見に行った。駐車場に5匹以上の野良猫がいたのだが、どの猫も人懐こくて、中には子猫もいた。

1週間後、ごはんを持って行った時、その子猫が駐車場で車に轢かれて死んでいたと聞き、救えなかったことに涙したという。

それを機に、JUNさん夫婦は毎週ごはんをあげに通い続けた。翌年2019年2月、1番懐いていた茶トラの猫がぐったりしていた。

「妻に見てもらっている間にホームセンターへ走り、キャリーを購入し、動物病院に行きました。そのまま入院となり、獣医師は、この3日がやま、この子の生命力にかかっていると言いました」

JUNさんの妻は毎日病院に通った。猫は3日目にごはんを食べ始め、妻は涙を流して喜んだ。そして約1か月後、猫は無事回復した。

まだ寒さが厳しい2月、JUNさんは、猫を外に戻すのは危険だし、もう妻のことを母親のように慕っているので見捨てられず、家族として迎えることにした。

妻との別れ、愛猫茶々丸くんも妻のもとに

名前は茶々丸くんにした。茶トラの雄で、約5歳だった。猫エイズキャリアだったが、発症もせず、その後幸せな日々が続いた。そんな中、妻がかねてから興味のあったトルコに旅行した。すっかりトルコが気に入った妻は、半年後に再びトルコへ旅行。大晦日に「実はトルコに住みたい」とカミングアウトした。

翌年の2020年3月、妻は再びトルコに行き、その時に現地でマンションを購入してから帰ってきた。その後コロナ騒動で少し遅れたが、10月6日、妻は愛猫茶々丸くんを連れてトルコへ永住のため渡航した。

世界中の動物が幸せになるように

一人暮らしになったJUNさん。その日以来、人生で最大の悲しみと寂しさでいっぱいになったという。

「私には自分のために寂しさを癒し、ファッションのためにペットを飼うという概念がありません。妻と茶々丸が渡航した後、周りの人に、また猫を飼ったら?寂しさを癒すためにいいよと勧められましたが、日中は留守番をさせることになる、私のエゴのために飼うわけにはいかない、飼わないと決めていました」

妻が渡航してから1週間後、いつものように、茶々丸くんを保護した公園に野良猫たちにごはんをあげに行き、JUNさんは偶然にゃあ子ちゃんという猫と出会い、いまはにゃあ子ちゃんと暮らしている。

トルコに行った元妻から聞くトルコの動物事情は日本とは違っていた。トルコは世界一動物に優しい国で、ペットの生体販売は禁止されていて、街中には普通に野良の犬や猫がたくさんいるという。

「多くの国民が彼らを優しく見守っていて、皆エサを持って出歩いているらしく、街中の至る所に犬や猫、鳥のごはんが置いてあるそうです」

JUNさんは、トルコだけではなく、世界中に動物愛護の精神が広まり、不幸な動物がいなくなって幸せに過ごせるようになってほしいと願っている。

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