第三波に入ったといわれる新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況となっています。しかし、少なからず新型コロナウイルスに対する「慣れ」が私たちの中にも出てきているのかもしれません。マスク・消毒などを行うことが当たり前となったいい意味での慣れもあれば、「これくらいなら大丈夫だろう」という意識の慣れもあるのではないでしょうか?
長く続くコロナ禍において「慣れ」と「環境」の違いから、ママ友間でトラブルが起きているそうです。富山県在住のYさん(30代・会社員)のケースをご紹介します。
◇ ◇ ◇
「久しぶりに飲みに行こうよ」とのお誘い
私には仲良くしているママ友が3人います。
コロナ前は数カ月に一度、ランチ会や飲み会をして子どものことや悩みなどを話していました。ママ友には旦那さんの愚痴などを話したりと私にとっては、ストレスを発散する会でもありました。
そんなママ友会も新型コロナウイルスの感染防止のためにしばらく開催できずにいたのですが、先日ママ友Aさんからママ友会のお誘いがきたのです。
「久しぶりに4人で飲みに行こうよ。4人だから大丈夫だよね」
Aさんは政府が推奨する4人でのマスク会食で開催を考えてくれていました。
しっかり感染防止対策を考慮してのお誘いでした。
ママ友会に参加できない私とママ友Bさん
私はそのお誘いをとてもありがたく感じました。しかし私は職場から酒類の提供があるお店の利用を控えるようにいわれているので、ママ友会の参加を断ろうと思っていました。
またママ友Bさんも同じように参加を断ろうとしていたのです。
Bさんは看護師です。勤務先から酒類の提供のあるお店の利用を禁止されています。
私とBさんは「行きたいけれど仕事の関係上行くことができない」と丁寧に断ったつもりでしたが、Aさんの機嫌を損ねることとなったのです。
「付き合いが悪い!気取ってる」と怒り心頭のAさん
ママ友会の開催を楽しみにしていたAさんは断ったことに怒り心頭で、とくに看護師Bさんに対する陰口を言うようになったのです。
「看護師だから気取っている」
「医療従事者です!ってアピールしている」
「看護師がそんなにえらいのか」
…私はもう一人のママ友Cさんからそのことを聞き、とても驚きました。付き合いが悪いと怒っているAさんですが、とても面倒見がよくて、シングルマザーの私を助けてくれます。
これまで何年ものお付き合いの中、Bさんのことを悪く言うことも一度もありませんでした。
Aさんは「コロナの感染対策をしているお店を探し、さらに4人以下」という一般的にOKとされている条件なのになぜ参加できないのかと疑問に思ったようでした。
◇ ◇ ◇
同じコロナ禍という状況でも、その人の環境によって捉え方は違う
結果的に4人でのママ友会は開催されず、AさんとCさんの2人で飲みに行くことになったそうです。
今回の件を通じて、Yさんが強く感じたことがあります。
「いま私たちは新型コロナウイルスの第三波といわれる中で生活をしています。置かれている状況はみな同じです。しかしその人を取り巻く環境によって、新型コロナウイルスへの意識や捉え方は異なるのだと思いました」
職業や高齢者・基礎疾患がある家族がいるかどうかなどによって、同じ状況下でも課題となることは違います。
Yさんにとっては、「自分のものさしだけではなく、相手のものさしに合わせて物事を考える」ことの大切さを改めて感じた出来事となりました。