新型コロナで「ママ友作り」に変化? 育児イベント自粛でママ同士の「マッチングアプリ」が人気

中務 庸子 中務 庸子

子育ての悩みや喜びを分かち合う「ママ友」の作り方が変わりつつある。新型コロナウイルスの影響で、産婦人科や児童館での育児イベントが中止や縮小となっていることを背景に、オンライン上で気の合うママ友を探せる「マッチングアプリ」が活況だ。昨年10月に登場した「MAMATALK」は、リリースから約1年で、マッチング実績7万件を突破。人気の秘密は一体どんなところにあるのか?

MAMATALKは、保育所や幼稚園などのコミュニティーに属さない乳幼児の母親や、初妊婦が主なターゲット。安心して登録できるように利用は女性限定で、無料だ。

最大の特徴は、実際に会えるご近所のママ友を見つけられる点。利用者は自身の年齢や出身地、子どもの生年月日や性別などに加え、住所も登録する。すると、居住地から一定の範囲に住むほかの利用者の中から、子どもの月齢が近いママの情報が表示される仕組みになっている。公開される居住地は市区町村まで。自己紹介文などを読んで気になる人がいれば、ワンタップで通知を送信。相手が応じればマッチング成功で、直接メッセージのやりとりができるようになり、近所の公園などで遊ぶ約束が交わせるのだ。

また「専業主婦/育休・産休/パート/フルタイム」の登録項目も用意されており、同じ立場のママと知り合うこともできる。

実はこのアプリ、運営会社「MAMATALK」の代表、カーティス裕子さん(31)が、自身の経験から考案したものだ。カーティスさんは、外資系金融会社に勤め、アメリカ人男性と結婚。2017年にアメリカで第1子を出産後、育休中に帰国した日本でママ友作りに戸惑った。

「気軽に連絡を取り合って、一緒に遊んだり情報を交換したりできる仲間がいれば心強いと思ったけれど、公園などで偶然知り合った人に、いきなり連絡先って聞けないから一度きりの関係で終わってしまった」とカーティスさん。

また「育休中なら保育園探し、専業主婦なら習い事や幼稚園受験など、母親の立場によって関心事は違うから、同じ境遇の人と知り合いたいけど、いきなり働いているかどうかを聞くのも勇気が要りませんか?」とも。

気の合うママ友作りにはハードルが多い。そこで、カーティスさんは翌年に会社を辞め、知人と起業、このアプリを開発した。現在は、使わなくなったベビー用品の提供を呼び掛けたりする掲示板機能や、お出かけスポットを口コミと共に投稿できる機能なども順次追加している。

「利用者アンケートでは、コロナ禍で保育所が休所して困っていた時に、アプリで知り合ったママ友が子どもを預かってくれて助かったという声もありました。今は感染対策が必要ですが、実際に会えることって大事なんです。そんな母親たちの潜在的な要望に手が届いていることが、このアプリの魅力では?」と話すカーティスさん。今後は利用者の子どもの成長に合わせて、幼稚園や小学校向けのサービスも充実させていくという。

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■MAMATALK公式ホームページ
https://mamatalk.jp

■MAMATALK公式インスタグラム
https://www.instagram.com/mamatalk_jp/

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