発想の転換…コロナ禍で幸運なのは父親たち? 子供と過ごす時間が増えた父親たちにカウンセラーが助言

今井 悠乃 今井 悠乃

 「2020年は最悪な年だ」なんて、よく米国のメディアで取り上げられます。果たして、そうでしょうか。見方を変えれば、父親にとってはラッキーな年なのかもしれません。普段は会社勤めの父親たちは、子供と一緒に過ごせる絶好のチャンスだからです。

 しかし、母親たちは各家庭のスケジュールやルーティンがあります。在宅ワークや外出自粛で「夫が家にいる時間が増えて面倒だ…」なんて奥さんに言われないためにはどうしたらいいでしょうか?カリフォルニア州サンフランシスコの「家族カウンセラー」ブルース・リントン先生に、家で過ごす時間が増えた父親たちへのアドバイスを伺いました。

 ―在宅ワークが広まり、家で過ごす時間が増えた父親が多い中、新しいルーティンにどのように対応したらいいでしょうか?

 パンデミックで家にいる時間が増えると、家事の手伝いや子供の世話をしなくてはいけないと思われがちですが、普段は忙しい父親にとっては、子供たちのことをよりよく学べる、絶好のチャンスだと思います。子供だけではなく、妻や新しい自分の発見、もしかしたら人生を考え直す機会にもなるかもしれません。

 ―その際、注意したいことは

 今まで奥さんに家のことを任せていた父親は、まずは奥さんにリードしてもらいましょう。家でのルーティンを教えてもらい、その中からひとつでも手伝えることを見つけるといいでしょう。仕事の合間に、宿題の手伝い、本の読み聞かせ、散歩やビデオゲームなど、子供と一緒に過ごせる時間を確保するのもおススメです。

 ―約40年前にご自身が父親になられた際に、相談できる相手や集いの場がなかったことから「父親会」を始められたとのこと。パンデミック以来、どのような悩みを相談されますか?

 やはり、仕事と家庭の両立です。その際に効率的なのは毎週日曜日に次週の予定を決めておくことです。そうすることで、家族生活のリズムを乱すことなく、仕事のミーティングやスケジュールを調整できます。「世界中が混乱している中、子供との時間に集中することで落ち着きを取り戻し、リラックスできる」と語る父親が多いんです。また辛抱強くなったと言う方も。パンデミックのお陰で、新たな視点から仕事や家庭生活を見られるようになったのではないでしょうか。

 大切なのは仕事の価値を下げるのではなく、子育ての地位を高めること。在宅ワークの場合、仕事に集中できる空間を作ることは不可欠ですが、父親という大事な役割のための時間も作るように心がけましょう。

  ◇  ◇

 わたしも「最悪」なんて、思わないようにしています。柔軟な思考と発想の転換で残り少なくなった2020年を乗り越えるつもりです。

リントン先生のウェブサイト:
http://www.brucelintonmft.com/

著書一覧:
https://www.amazon.com/Bruce-Linton/e/B001K7Y6Z2?ref_=dbs_p_pbk_r00_abau_000000

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