突如、街中に現れる近未来的ドーム!?コロナ禍で試行錯誤を続けるアメリカの外食業界

今井 悠乃 今井 悠乃

 新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や営業停止令のため、米カリフォルニア州のバーやレストランがバタバタと閉店する一方で、生き残りをかけて様々な工夫を凝らしているお店も目立ちます。駐車場に屋外席を設置したり、デリバリーやテイクアウトのメニューを拡大したりするなど「ニューノーマル」に対応するため、試行錯誤を繰り返しています。

 そんな中、サンフランシスコにあるミシュラン星付きの高級日本食レストラン「はしり(Hashiri)」では透明のドーム型テントを店先に設置。5コースの会席・おまかせメニューを提供していることで話題になっています。そこで、同店マネジャーのケンさんに様子を伺いました。

―なぜ、このようなドーム型のテント席を設けるようになったのですか?
 安心して食事をしていただくにはどうしたらいいかと考えていたところ、オランダのアムステルダムにあるガラス張りのグリーンハウスレストランが浮かび、それと耐久性に優れた測地線ドームにインスピレーションを受け、このような形になりました。

―ドーム型のテント席について、お客さんの反応はいかがですか?
 元々、ドーム型テント席の通気性に問題はなかったのですが、サンフランシスコの公衆衛生局に苦情を申し立てたお客さんが出たので、通気性を改善するためにドームを修正しました。また残念ながら、この店でお食事をされたことのない方から批判の声が上がったこともありました。

 一方で常連のお客さまは、このコンセプトを気に入ってくれています。パンデミックを乗り切れるよう、応援していただいてありがたいです。

―新型コロナウイルス対策はどのように?
 密にならずにソーシャルディスタンスをとれるようにと、席は完全予約制で時間制限を設けています。利用客は2~4名まで、としています。

―清掃が大変なのでは?
 毎日、高圧洗浄機を使ってドームを洗浄しているほか、テーブルやイス、キャンドルなどはゲストが入れ替わる際にもしっかりと拭いて、消毒しています。お客さまに安心していただくのが一番ですから。

  ◇  ◇

 カリフォルニア州のニューサム知事は先月末に「より安全な経済再開に向けた青写真」なる政策を発表し、感染状況に応じて地域を黄色、オレンジ色、赤色、紫色に分け、学校や店舗の動向を判断するそうです。最近は新規感染が落ち着き始めた印象ですが、アメリカでは、新型コロナウイルスは気温と湿度が下がる秋から冬にかけて復活する可能性があると言われています。

 今後、レストラン業界がどのように「ニューノーマル」に対応し続けるのか、フードライターとしても興味深いですね。

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