新型コロナウイルス感染予防のため、手を洗う回数は増えたのに、ハンドドライヤーは使えない。バッグの中のハンカチやタオルは使用頻度が増え、濡れっぱなしで乾かない。ここ数カ月の悩みです。筆者が行き着いたのは、速乾性や吸水性が高いポリエステル100%やマイクロファイバーのハンドタオルを持ち歩くこと。バッグの中のストレスは軽減したのですが、お肌的にはどうなのでしょうか。皮膚科医に話を聞きました。
O157とSARSで普及、そしてコロナ禍…
ハンドドライヤーが全国的に普及し始めたのは1998年ごろ。病原性大腸菌O157やSARSの感染防止のため、共用タオルの代わりに導入されたことがきっかけでした。2004年8月19日の神戸新聞朝刊紙面には「風で水滴飛ばし衛生的 手洗い乾燥機が人気 販売台数毎年2ケタの伸び」の見出しが躍ります。
しかし2020年、コロナ禍により事態は急変。政府が業界団体などに作成を求めた「業種別ガイドライン」を見ると、ほとんどの指針にハンドドライヤーの使用中止を呼び掛ける文言が掲載されています。例えば、東京都「ハンドドライヤー利用や共用タオルの使用は中止し、できる限り、ペーパータオルを設置」、愛知県「トイレのこまめな清掃、ハンドドライヤー等の使用中止」、兵庫県「トイレのハンドドライヤーは止め、共通のタオルは禁止する」など。
ハンドドライヤーが使えないことに対しSNS上には、<ハンカチびちょびちょ><バッグの中でハンカチ乾かない><タオルの使用率上がった><2枚持ち歩くようになった><ハンカチ持つ習慣なかったから困る>といった声があふれます。
皮膚科医「こすらず、やさしく」
速乾性のある素材で手を何度も拭くことについて、ゆみこ皮フ科クリニック(神戸市中央区)の武田裕美子院長に話を聞きました。
──速乾性や吸水性が魅力で、ポリエステル100%やマイクロファイバータオルを頻繁に使うようになりました。使い方の注意点はありますか?
「素材に問題はありませんが、強くこするのはダメです。水分をやさしくとってください。『こすらない、洗いすぎない』です。洗ったあとは、市販のハンドクリームや病院で処方されたクリームなどでの保湿も大切です。保湿クリームなどを強くすりこむ人がいますが、『すりこまずに、やさしく』です」
──お肌のことを第一に考えると、おすすめの素材は?
「やはりガーゼハンカチです」
──手を洗ったあと、手をパッパッと振って水滴を落とす人をよく見かけます。これはお肌的には何か問題がありますか?
「濡れたままにすると、手肌の乾燥がひどくなります。指の間などが濡れっぱなしだと、菌の繁殖にもつながります」
ユニクロからも速乾性ハンカチ登場
カジュアル衣料品店「ユニクロ」の公式ツイッターアカウントは18日、男女兼用「ファインクロスハンカチ」(390円・税抜き)を紹介。「いつでも清潔、速乾性に優れた抗菌防臭」をアピールします。同社オンラインストアには27日現在、新作の柄も含め10種が販売されています。