新型コロナウイルス流行により、例年とは違ったお盆参りのスタイルに苦闘するお坊さんの投稿がTwitter上で話題になっている。
件の投稿はカレー愛好家「カレー坊主」としての活動でも有名な吉田武士さんによるもの。
吉田武士さんのツイート
お盆には1日に約50軒をおまいりします。それを5日間、250軒近くまわります。お檀家さんにそれを伝えると「すごいですねぇ。大変ですねぇ」と以前は称賛されていましたが、最近は「感染は大丈夫ですか?」と心配をされるようになりました。たしかに迎え入れるほうは心配だよなぁ
#坊さんあるある2020盆」
たしかにコロナ流行以来、大勢が同じ空間を共にする“密”や不特定多数との交流は忌避される傾向にある。そんな中、大勢の檀家を訪ねざるを得ないお坊さんたちの気苦労はたいへんなものがあるだろう。
今、お坊さんたちはどのようなで状態でお盆参りに臨んでいるのだろうか?吉田さんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):法事、法要でコロナの影響を意識されるようになったのはいつ頃からでしょうか?
吉田:3月のお彼岸の法要から特に意識するようになりました。3月から6月にかけては法事を見合わせたり、葬儀やお通夜の形態が人が密集しないよう変化したりしました。
中将:吉田さんがコロナ感染対策として気をつけておられることをお聞かせください。
吉田:お寺ではイス席で十分な間隔をとるようにしました。消毒液を設置し、僧侶はマスクを着用したまま読経しています。法事ではマイりん棒やライターなど、手で扱うものは持ち込んでいます。
中将:今年のお盆参りでの例年とは違うご苦労をお聞かせください。
吉田:やはりマスク着用のままの読経は息がしづらく、暑さもあって大変でした。
中将:この暑い中、1日50軒移動してしかもマスクでお経をあげるなんて想像しただけでも過酷ですね……。
お会いした檀家の皆さんの反応はいかがでしたか?
吉田:みなさん不安だと思うのですが、感染予防を講じたうえでおまいりさせていただくと「大変ですね」と労いの言葉をいただくことが多かったです。有難いですね。
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お寺と檀家の心の交流はコロナごときではびくともしないようだが、携行する所持品の増加やマスク着用は確実にお坊さんたちの負担となっているようだ。
お盆の行事はもう終えられたお宅が多いだろうが、もしこれからお坊さんをご自宅に迎える場合は、そのご苦労を重々にいたわって差し上げていただければと思う。