ハンバーガー屋がイチから作った本気の布マスクが大人気…なぜ開発?「ドムドム」社長に聞いた

広畑 千春 広畑 千春

 コロナ禍によるマスク不足を機に、さまざまな業種がオリジナルマスクの生産に乗り出す中、「ドムドムハンバーガー」を全国展開するドムドムフードサービス(本社・神奈川県厚木市)が制作したオリジナルマスクが「かわいい」と注目を集めています。「衣料品メーカーではないので」と大々的な告知はせず、慎ましげに店頭に並べたところ、SNSを通じて一気に拡散。1枚350円という価格やデザイン性も相まって問い合わせが相次いでいるそうです。でも何でまた、ハンバーガー屋さんが? 同社に聞きました。

 話題のオリジナルマスクは、表地はポリエステル65%・綿35%、裏地は綿100%で抗菌加工を施した生地を使い、素材感は「サポーターに近い」そう。もちろん立体成型で繰り返し洗え、しわにもなりにくいのだとか。17日から一部店舗で販売を始めたところ、Twitterに相次いで投稿され、「ほしいー!!」「素晴らしい取り組み!」と驚きの声が上がりました。

 同社によると、このアイデアは藤﨑忍社長自ら考案。ドムドムハンバーガーは日用品を扱うスーパーマーケットに多く、ほとんどの店舗で営業を継続していることから、藤﨑社長は「従業員の安全確保に加え、非日常を過ごされるお客様のお心が少しでも和らぎ、そして安全にお過ごし頂けるような施策はないか、また感染の危険を顧みず、社会の必要性に応え公のためにお仕事をされている皆さまを手本とし、私たちのような小さな企業ができる社会貢献を模索してきました」と話します。

 その過程で、通常なら2400円以上するセット商品をテイクアウトに限り1500円で販売する「おうちでドムドムセット」を企画し、一番人気の「甘辛チキンバーガー」のレシピを動画で公開。合わせて安価なロゴ入りマスクの販売を決めたそうです。

 実は、藤﨑社長自身、アパレル業界の出身。昨年はアパレルブランドとのコラボ商品を販売したこともあり「社内での違和感は全くなかった」のだとか。開発に当たっては「デザインのシンプルさ」と「付け心地」を特に重視し、「耳にかける部分がきつくならないように。一日付けても痛くならないように」と試作を繰り返し、ファンも多い「どむぞうくん」ロゴを、強調しすぎない程度のタグであしらいました。当初はサイズ展開も考えたそうですが、「1日も早く」という思いや価格、店舗での在庫管理の問題もあり、1サイズでの販売に。2500枚を生産したものの、既に完売の店舗が続出。本社にも問い合わせが多く入っていることから、急きょ追加生産を決め、ネット通販も準備中といいます。

 「マスクに関しては、あくまで社会貢献の一環という立場から情報発信を控えていたのですが、お客様のご要望にお応えできるよう対応したい」と藤﨑社長。「ドムドムハンバーガーに多くの皆様が関心を寄せて頂いたことに感謝するとともに、感染拡大防止の一助になれたなら光栄です」といい、「Togather we can all win!!(みんなでコロナに打ち勝とう)の思いで、明るい未来を信じ、『美味しくて楽しい』を変わらず追求していきたい」と力を込めます。

 一時は高額だった値段が値下がりに転じ、“マスクバブル崩壊”ともいわれていますが、コロナとの闘いは長引きそうですし、こんな布マスクなら欲しいな~!

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