最近、パワハラ・セクハラ・モラハラといろいろなハラスメントを耳にするようになりましたが、皆さん“スラハラ”をご存知ですか?
“スラハラ”とは、業務コミュニケーションツール「Slack(スラック)」を使って 強い口調で矢継ぎ早にメッセージを飛ばしまくることで、メッセージを受け取る側がSlackを見るのが怖いと感じてしまうことのようです。
Slackは、かつては開発系の一部の人だけが使っていたものでしたが、働き方改革などの影響で、多くの人に使われるようになってきました。
私もこの事を知り、Twitterでつぶやいたところ、知り合いから、このようなメッセージが届きました。
相談「1回に送られてくるメッセージが短すぎる」
仕事の連絡手段として主に Slack(スラック)を使用しているのですが、仕事相手の一人に、1文で終わる文章を一度のメッセージで済ませず、短文にして5回くらいに分けて連続で送ってくる人がいます。メッセージがくるたびに受信通知がピコピコなるため本当にうるさくて…。一度通知オフにしたのものの、別の仕事相手のメッセージ通知や急ぎの案件にも気づくのが遅くなってしまうし、一度軽く言ったんですが、癖なのかあまり改善されず未だに短文というか単語ごとに送ってきます。正直うざいです。(Mさん/32歳)
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仕事でSlackを使わない方は、どんなツールかご存知ないかと思いますが、みなさんがよく使用するLINEに似ているかもしれません。
LINEでの友達とのやり取りを想像してみてください。
一度のメッセージで完結せずに、短文を何度も送られると、通知件数が沢山になりうっとおしい!と感じる人もいるのではないでしょうか。実は私もかつて、立て続けに送ってしまい「まとめて一文で送ってくれない?」と言われたことがあります。確かにメッセージ数が多くなり嫌ですね。
さて話を先程のSlackに戻しましょう。この短文を頻度高く相手に送るという行為も相手が迷惑をしていて、何度も注意したのに改善されなければハラスメントにあたるかもしれません。そんなことで?!と思うかもしれませんが、通知が多すぎると見るのも嫌になるという心理はわかります。
また逆に「長文すぎるのも嫌だ」という意見もありました。たしかに、長い文章が送られてきて、文中に3つくらい質問が書いてあったりすると、読みづらいうえに、返事をするのも大変です。長文になるなら、メールで送るなど配慮が必要ですね。
スラハラの原因はツールそのものではない
Slackをはじめとした業務ツールを使う理由は、「業務効率化」なわけですが、その利用方法によって、やり取りする相手が嫌な気分になったり、仕事へのモチベーションが落ちたりしてしまえば意味がありません。
ハラスメントと言っていますが、元々の原因は人間関係がうまくいってない場合があるのでしょうから、ツールが悪いのではなく、まずは相手との関係性を見なおすほうが大切です。
在宅勤務になったら、セクハラ・パワハラがなくなるんじゃないかという人もいます。確かに、顔を合わせない分直接的な罵倒や誹謗中傷の類は少なくなるかもしれませんが、業務ツールを使用し、強い口調で矢継ぎ早にメッセージを飛ばしまくったりすれば、ハラスメントは起きてしまいます。子ども達のなかで、SNSいじめがあることからみても直接会わなければ回避されるというものでもなさそうです。
人間は見落としてしまうもの
多くの人はメールやSlack、LINE等、様々なツールで日々、たくさんの連絡がくるため、時にはメッセージを見落としてしまうこともあります。
顔がみえない分、反応がないとつい「返事が遅い」とか「メッセージを見てないんじゃないか」としつこく責めたり返事を催促しがちですが、限度を超えて責めるのはよくありません。人間だから、メッセージを見落としたり、忘れたりすることは起きるものだという前提で進めることが大切です。
Slackの気軽さは、とても便利ですが、コロナ禍で在宅勤務が増えてきた今、一人ひとりが、相手に配慮する気持ちを意識してツールを使用していくことが必要ですね。