「坂道でゆずとつじあやのとスピッツがすれ違ってる」 ほのぼの投稿がJ-POP界を揺るがす大騒動に

黒川 裕生 黒川 裕生

 「ずっと昔から坂道でゆずとつじあやのとスピッツがすれ違ってるって言ってるけどあんまり理解されないから図にしてみた」

 1週間前にTwitterに投稿されたこんなつぶやきへの反響が、雪だるま式にみるみる膨れ上がり、今とんでもないことになっている。「あの歌に出てくる坂道も加えてくれ」というリクエストが殺到し、投稿主のNR【ニラ】さん(@nrnr03)が律儀に対応。片っ端から「図」に書き加え続けているのだ。その結果、ひとつの坂道にJ-POPの新旧の名曲が文字通り乱立する解読不能な混沌が誕生してしまった。

 最初はシンプルな図だった。

 「陽の当たる坂道を自転車で駆けのぼるつじあやの」「自転車で走る君を追いかけたスピッツ」の横を、「ブレーキいっぱい握りしめてゆっくりゆっくり下っていくゆず」がすれ違う。ただそれだけの状況が、文字と直線と矢印だけで図解されていた。野暮を承知で説明すると、つじあやのは「風になる」、スピッツは「ロビンソン」、ゆずは「夏色」の歌詞の一節である。

 そこにまず追加されたのが、「教会通りの坂を降りていき左へカーブを曲がると光る海が見えてくる小沢健二」。これは「さよならなんて云えないよ」から。続いて「あの坂を下ればすぐに君の部屋が見えるからと思っているSHAZNA」が加わり、さらにaiko、BUMP OF CHICKEN、Mr.Children、水樹奈々らが続々参入(曲名はもう各自で調べてください)。あんなにわかりやすかった図が、次第にカオティックな様相を呈していく。

 NR【ニラ】さんのもとには、「通知が拾えないほど」のリアクションが殺到。中には、歌詞が引用されたミュージシャン本人からのコメントなども寄せられているようだ。3月17日現在、もはや図は解読が不可能な量の文字で埋め尽くされており、一体いつ終わるのか心配になるほどの状態に。それでもNR【ニラ】さんは「私自身が楽しんでやれているうちはまだいいかな」と、まだしばらくは継続する意向という。ただ、通知が多すぎて、現状では全てのリクエストに対応できていないのが心苦しいらしい。

 ところで、最初のスピッツに「んん?」と思った人がいるかもしれない。何故なら「ロビンソン」で走っているのは「坂道」ではなく、「河原の道」だからだ。これについて、NR【ニラ】さんに見解を伺ってみると、こんな答えが返ってきた。

 「『河原の道』であることは知っていたんですが、『自転車に乗る君を追いかける』というところだけピックアップしたら、どんどん“坂道”に比重が移っていった。結果的に、大変申し訳ないことをしてしまいました」

 さてさてこの坂道図、最終的にはどうなりますやら。震えて待とう。待ちたい人は。

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