不運のNZボクシング代表、コロナ拡大に翻弄される 世界各国のアスリートが東京五輪へ向け腐心

谷口 輝世子 谷口 輝世子
ゴールする直前にガッツポーズをする大迫傑=1日、東京駅前(撮影・堀内翔)
ゴールする直前にガッツポーズをする大迫傑=1日、東京駅前(撮影・堀内翔)

新型コロナウイルスの感染拡大の中、東京マラソンが1日、行われた。大迫傑が自身の日本記録を更新する2時間5分29秒をマークし、日本選手トップの4位でゴールした。ただ、予定していた一般参加は中止、参加者はエリートランナーの200人だけだった。新型コロナウイルスの感染拡大は2020年東京五輪・パラリンピックを目指す世界各地のアスリートたちにも大きな影響を受けている。

米国では2月29日にオリンピックのマラソン代表選考会がアトランタで行われた。東京行きの出場切符を手にしたジェイコブ・ライリーはレースの少し前にニューヨークタイムズ紙などの取材に答え「代表になるために大きな壁を越えなければいけない。(コロナウイルスのことは)いつも心の片隅にある。しかし、考えすぎないようにしている」と話している。

ケニアのスタンダード・メディアはリオ五輪5000メートル女子で銀メダルを獲得したケニアのヘレン・オビリの懸念の言葉を伝えている。「アスリートとして、コロナウイルスについてはとても心配している。世界室内陸上など一部の大会はキャンセルされています。感染拡大を5月までに封じ込めるか、そうでなければ、我々の準備が無駄になるのか。しかし、現時点では通常通りの準備を続けるだけです」と話した。

また、同メディアによると、昨年の世界選手権男子1500メートルで優勝したケニアのティモシー・チェルイヨットは「我々はコロナウイルスの感染拡大がダイヤモンドリーグのサーキットが始まる前に抑えられることに期待し、準備に注視している。もしも、大きなスポーツ大会が中止されることになれば、それは非常に落胆することだ。この災難が間に合うように対処されることを私たちは祈っている」と答えた。

ESPNではインドの卓球選手、サシヤン・グナナセカランは4月21日から26日までのジャパン・オープンに出場予定で、ジャパン・オープンに備えて早めに日本に入り、トレーニングする予定だったと伝えている。彼は「ジャパン・オープンが予定通りに開催されるかどうか、我々には分からない。5月には香港と韓国でトレーニングする計画を立てていたが、現在のシナリオではそれも怪しい」と戸惑っているようだ。

また、ニュージーランドのボクシング代表の9選手は、ヨルダンで開催されるアジア・オセアニア予選のために、イタリアでトレーニングしていたという。ラジオ・ニュージーランド電子版が伝えた。もともと中国で開催予定だった予選がヨルダンに変更され、イタリアで調整していたところ、イタリアにもコロナウイルス感染が広まった。度重なる不運について、ボクシング代表のコーチは「みんなが少し怒りを感じ、心配をしているけれども、これまで通りポジティブであり続ける」と苦しい状況について語ったという。その後、無事にヨルダン入りするできたことが報じられた。

中国のトップアスリートたちはコロナウイルスの感染を避けるため、隔離した状態でトレーニングを続けていると、2月2日付の米スポーツ専門局ESPN電子版が伝えている。

コロナウイルスにより、さまざまなスケジュール変更が余儀なくされるなか、世界各地でアスリートたちは淡々と東京大会へ向けてトレーニングを続けているようだ。

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