評判バツグン!誰もが羨むエリート商社マンの裏の顔は…まさかのモラハラDV男!?

島田 志麻 島田 志麻

筆者はかつて、とあるNPO団体で相談員の仕事をしていました。そこで耳にした、とんでもないモラハラDV男の話をご紹介します。(個人の特定を防ぐため、一部の情報を修正しています)

今回ご紹介する話は、20代前半の女性から受けた相談です。その方は、黒髪のショートスタイルでハキハキとした印象の女性でした。何事もハッキリと話す様子から、コミュニケーション能力の高さがうかがえます。そんな彼女が、まさかDVを受けているとは思いもよりませんでした。

DVの事実を知ったのは、彼女と会って30分くらいが経過したときでした。

「私の彼氏、めっちゃ束縛が強くて…」

その後、彼女から聞いた話をまとめるとこうです。

彼氏は彼女より5つ年上。一流商社に勤めるエリート営業マンです。周りから、「かっこいい」「頼りになるね」「愛されているね」と評判がいい彼だそうですが、私がうかがうには典型的なモラハラDV男でした。

まず、彼は束縛が強すぎました。彼女の行動をすべて把握していないと気が済まないようで、休みの日には誰と会うのか、どこに行くのか、何時頃帰るのか、をすべて報告しなければいけないということでした。複数人で会う場合は、一人ずつの名前を伝えなければいけず、その中に一人でも男性が含まれていれば、遊びに行くことを許可してもらえません。

また、驚いたのは出かけるときの服装を写真で撮って彼に送らなければいけないということ。「露出は控えめにしてほしい」という彼の合格サインが出なければ外出できないというのです。

その話を聞いた時点で、もう私は胸がいっぱいでした。

なぜそんな男と付き合っているのか、疑問しかありません。でも彼女はそれを「愛情の証」だと勘違いしていたのです。

「それはあなたにとって幸せな状況ですか?」と彼女に質問しました。

彼女は、「わからない」と答えました。愛されていると感じるのは半分うれしいこと。でもときどきその愛情が窮屈で、怖くなることがあると彼女は言いました。彼と付き合いはじめてからもう1年以上、自分の好きな服は着ていないし、友だちに会う機会は減っているし…。自分の世界がどんどん彼に侵食されているようでときどき怖くなると言うのです。

加えて、彼は暴力もふるっているということでした。彼女が約束通りの時間に帰らなかったときや、メールを返すのが遅くなったときなど。そういった出来事があった後に彼に会うと、イライラしており、二人っきりになると暴力をふるわれるそうです。

それは完全にDVだということに彼女も気づいていました。その状況から抜け出したいと思っているようですが、別れ話をしたら次はどんなことをされるのかわからない。だから結局、言い出せずにいるというのです。

冒頭でもお伝えした通り、彼は外ではかなり評判のいい人なので、DVやモラハラがあることを誰にも相談できずにいるということでした。

その後も彼女からいろんな話を聞き、彼のDV・モラハラ気質はかなり根深いということがわかりました。彼女自身も自分が置かれている状況が普通ではないということを徐々に理解していき、「彼に別れを切り出す」決意をしていました。

その後、彼女は両親に付き添ってもらって、ようやく彼に別れ話ができたようです。別れてからもしばらくは、彼から執拗にメールや電話がきていたということですが、電話番号や住まい、職場も変えて新天地でがんばっているということでした。その報告を受けたのは、最初に彼女にあってから半年以上が過ぎた頃でした。

久しぶりに会った彼女は、髪の毛を明るく染め、ピンク色の鮮やかなワンピースを着ていました。

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