ところで、このコラボ対決を開催する５園は「カピバラの露天風呂協定」なるものを結んでいるそうです。「埼玉県こども動物自然公園」の担当者さんに聞きました。
──言い出しっぺはどちらの園なんですか？
２０１３年に「伊豆シャボテン公園」と「長崎バイオパーク」で協定が結ばれました。そのあと関東でいち早くカピバラ温泉を取り入れていた当園も、カピバラ温泉の普及を目指して２０１５年に加わりました。
──優勝が３時間以上と長風呂ですが、カピバラにとって温泉ってどんなものなのでしょうか？
野生のカピバラは、南米北東部の比較的温暖な地域で過ごす動物です。お湯につかることは暖を取ったり、皮膚の乾燥を防いだりするのに役立っています。天候や気温にもよりますが、寒い日は１時間以上つかっていることが多いです。ちなみに、大会最長記録は第５回に優勝した「那須どうぶつ王国」の４時間５６分３２秒でした。
──約５時間！ もっと長い記録があるんですね。今年の代表選手にセリナちゃんが選ばれた理由は？
セリナは人に対してはやや臆病ですが、ほかのカピバラには強気です。ほかのカピバラの影響でお風呂から出てしまうことがほとんどないので選出しました。
──当日の様子を教えてください。
セリナ初出場！ ということで期待していましたが、当日はポカポカ日和でセリナをはじめ全頭なかなかお風呂に入ろうとせず、応援のために集まってくださったお客さまとハラハラしながら待つこと３０分以上…。ようやくセリナが大好きな桶風呂に入ってくれて歓声があがりました。お風呂に入らず棄権という事態にならず、スタッフもひと安心。ちなみにセリナが一番に入ってくれました。ですが、やはり暖かいからなのか記録は１２分１２秒で４位。少し残念ではありますが、セリナががんばってくれたのでよかったです。
──こういった他園との交流はほかにもあるのですか？
イベントなどで交流しているのはこの「カピバラの露天風呂協定」を結ぶ園だけですね。１月の「カピバラ長風呂対決」のほかに、８月にはカピリンピックとして「カピバラのすいか早食い競争」をおこなっています。こちらは５００ｇの皮付きスイカの早食い競争です。また「カピバラ長風呂対決」の優勝園には賞状とトロフィーが贈られます。各園所在地の特産品を、変わり湯の素材として勝敗に関係なく送りあっています。
ということで、那須から「かんぴょう」、長崎から「ざぼん」、伊豆から「だいだい」、埼玉から「ブロッコリー」、石川から「はっさく」が２０２０年は送られました。各園で変わり湯に入るカピバラを「ご当地産！ カピバラも旅に行ったつもりで〇〇風呂」として１月１３日まで楽しめるとのことです。ブロッコリー風呂ですか！？…モグモグできるのかな？ なんだか、うらやましいぞ〜。
【公式】カピバラの露天風呂 https://twitter.com/capybarabath
