2020年はシステム手帳に再び脚光!…「自分だけの1冊」で注目、「バレット・ジャーナル」ブームも後押し

山本 明 山本 明

今年のスケジュール手帳のページも残りわずか。来たるべき令和初の新年に向け、一体どんな手帳が人気なのでしょうか?聞くところによると、システム手帳がここ数年復調の兆しを見せているそうです。単なるスケジュール&タスク管理として使用するのではなく、オプションで自分の趣味のページを作成するなど、より自由度の高い使い方が好まれているのだとか。ナガサワ文具センター本店(神戸・三宮)4Fにある手帳・システム手帳の専門店「Journal Style(ジャーナルスタイル)」を訪ねました。

スケジュール手帳には大きく分けて二種類あります。

■「綴じ手帳」…あらかじめ製本されていて、基本的には1年で1冊を使きる手帳。ジャケット(カバー)とリフィル(用紙)は固定。比較的リーズナブルで扱いやすいのが特長。「能率手帳(NOLTY)」などロングセラー商品もあり、毎年「これ」と決めた手帳を買い替えていく人も多い。

■「システム手帳」…ジャケットがバインダー式になっていて、穴の開いたリフィルをさし込んで使用。自分の好みのデザインや紙が選べるため、たとえばスケジュール管理はマンスリーでもウィークリーでも、あるいは両方併用することも可能。さらに、映画やグルメの感想のページを作成し、インデックスをつけるなどオリジナルノートとしても使用できるのが特長。

そもそもイギリスの「ファイロファックス」社の高級システム手帳が日本国内におけるシステム手帳人気の先駆けだった、といいます。1984年~1985年にかけて日本に入ってきたこの手帳は当時の価格で、1冊なんと3万6千円!バイブルサイズと呼ばれる、やや大きめの上質で重厚感のあるレザージャケットに自分好みのリフィルを1枚、1枚選ぶ…。当時の意識が高いビジネスマンは、多少無理をしてもこぞってこの手帳を手に入れたがったといいます。以後、よりリーズナブルなシステム手帳が1984年~90年代初めに普及しました。これが「システム手帳の第一期の黄金期」。

その後、パソコンやスマートフォンが台頭し、デジタルでスケジュール管理する人が増え、重くてかさばる、持ち運びしにくい、などの理由でシステム手帳は影が薄くなっていきました…。しかし、ここ数年、そんなシステム手帳が新たな時代を築きつつある、というのです…!詳しいお話をナガサワ文具センター、商品開発室室長の竹内直行さんに聞きました。

   ◇   ◇

―システム手帳が人気復活しているとか

「デジタルのスケジュール管理は、何らかの理由でデータが飛んでしまうと全ての情報が失われてしまいます。またデジタルの場合、会社などで同僚数人とスケジュール管理ソフトなどを共同で使用なさっている方が多い」

「そこで『自分だけの1冊』としてビジネスの場面だけでなく、プライベートの予定や情報を一元集約し、カスタマイズできるスケジュール手帳が見直されてきました」

「近年話題の『バレット・ジャーナル』のブームも影響しているよう思います。バレット・ジャーナルとはノートにペンというアナログな方法で、自分の望みや果たすべきタスク、仕事の目標など、人生の重要事項を箇条書きし整理していく『ノート術』。それを自分のプライベートな手帳で実践するんですね。情報過多な時代だからこそ、自分自身にとって真の最優先事項をクリアにし集中する…それを可視化するためのノートです。それが、自分でカスタマイズできる、より自由度の高いシステム手帳の人気に繋がっている気がします」

「第一期黄金期の際は、自分の『仕事』を全て手帳1冊に集約し『移動書斎』として使う…というスタイルに憧れたわけです。しかし今のシステム手帳は『仕事』だけでなく、自分の人生全般の『公私にわたる情報』をコントロールするための『パーソナル手帳』としての役割を担うことで、新たな時代を作りつつある…と感じます」

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