街中に緑の森や水辺が出現!今流行りのパルダリウム、そしてフォレストウォールとは?

國松 珠実 國松 珠実

 「パルダリウム」や「テラリウム」をご存知だろうか。ガラスの水槽の中に土や岩を敷き、コケやシダなどの湿度を好む植物を配置するガラスの中の寄せ植えだ。その佇まいは、小さいながら生命力あふれる緑の森だ。LEDライトで育つ植物は、時々霧吹きするだけでOKな世話いらず。植物をすぐに枯らしてしまう人でも安心の、インテリアグリーンだ。しかしこれ、今までにも見たことがあるような……。

 「熱帯魚やトカゲなどの爬虫類を扱うショップでは、以前から動物が好むよう、多湿で植物豊富な環境を再現していました。それをパルダリウムとかテラリウムと呼んでいたそうです」と話すのは、「はなつむぎ グリーン」(大阪市鶴見区)店長の松 香澄さんだ。こちらでは、パルダリウムをさらに進化させた水の流れる「フォレストウォール」を開発した。壁面緑化水槽を用いて植物や流木も配した、文字通り森の壁。そこに水を流し水槽の底部分に水を貯め、森林の水辺をイメージした。せせらぎ音が心地よく、小さな熱帯魚も泳ぐ。自然がそのまま室内に持ち込まれたようだ。

 大きさは、家庭用に20センチ角のガラス水槽を使ったものから、縦130センチ横180センチと大型のものまでさまざま。「大きなものは商業施設や店舗、企業のエントランスなどで観賞いただきます。保育園にも入れていますよ。毎日少しずつ育つ植物を見て、子どもたちに何か感じてもらえたら。またグリーンは気持ちを和ませる効果があるので、介護施設にもぴったりだと思います」と松さん。循環させる水で植物は常にみずみずしく、四季に応じて葉が茂ったり落葉したり、また紅葉したりと室内で季節の移ろいを感じられる。

 価格は、一般家庭でも楽しめるサイズで20万円未満程度から。時々水槽の汚れを拭き取る程度のメンテナンスで、水替え作業も不要。「コストがかかるのは最初だけで、あとは伸びた葉っぱやツルをカットして整えるくらいです」

 それまで植物の卸業中心だった松さんが、これらを始めたきっかけは1年半ほど前。父で熱帯魚愛好家という社長の発案だった。「植物の専門家である花屋が、パルダリウムを手がけたらもっと面白いものができるかも」と、懇意にしていたアクアリウムショップに掛け合い、互いにガラスケースや土などと、植物の仕入れ先を紹介し合うことで流通ルートを確保した。「恐らく、花屋でこれを始めたのはうちが最初」だそう。

 さらに松さんは、街の緑を増やして忙しくストレスが溜まりがちな現代人の心を穏やかにしたいと話す。

「たとえば東京の街を歩くと、緑が多く花壇もよく手入れされています。ほとんどのショップにグリーンが置かれ、人が住むマンションにも、植物がたっぷりあるベランダが多いんです。暮らしの中に積極的に緑を取り込んでいることが、とても羨ましく印象的でした。緑は人の心を豊かにします。大阪を緑でいっぱいの街にすることが、私の夢です」

「hanatsumugi GREEN(はなつむぎ グリーン)」http://hanatsumugi8783.com

おすすめニュース

新着ニュース