もう枯らしたくない! 緑ある暮らしを始める前に、京都の専門店が伝えたい心構え

山本 明 山本 明

 陽光きらめく5月です。今年こそ、「グリーンのある新生活を始めたい」と思い、購入した人も多いのでは。でも待って!そのグリーン、元気に育っていますか? 「植物は単なるインテリアではありません。ペットのように大切に愛情を注いで、世話をしてやってこそ、癒やしをくれる「生き物」なのです。それを忘れないでほしい」と、京都・二条にある植物専門店「COTOHA-Plants NET」のオーナー・谷奥俊男さんは言います。「枯らしてほしくない!プロジェクト」を進める同店に、植物を育てるために必要な知識と心構えについて聞きました。

 「COTOHA-Plants NET」は京都・二条駅から徒歩約5分、京都らしい細長い路地の突き当りにある植物専門店。階段を上がると、緑の殿堂が広がっています。燃料倉庫の後、カメラマンのスタジオになったという店内はいくつもある天窓や大きな窓から、たっぷりと日が射しこみます。大小様々な観葉植物の鉢が置かれ、空気はしっとりと肌になじむよう、心なしか外より「空気が濃い」ような…。

 「植物がたくさんあって、二酸化炭素を吸って光合成し、きれいな酸素を出しているので呼吸しやすいんです」と谷奥さん。確かにこの中にいると自分もぜひグリーンを家に買って帰りたい、癒やされたい…という人の気持ちが分かります。

 京都西陣の花屋の次男として生まれた谷奥さんは、23歳の時に花の世界に入って25年。京都の老舗花店などで修業した後、本店を6年前にオープンしました。「植物は枯れるからまた売れる」という小売店のあり方に疑問を持ったこともあり、「枯らさないよう、まずは最初の一鉢を大事に育ててもらうことが大事。それが次の鉢を求める気持ちに、緑のある暮らしを楽しんでいただくことに繋がっていく」という理念を開店以来持ち続けてきたといいます。

  お店に並べる植物は自ら沖縄にまで買い付けに行き、自分の目で見て確かめたものだけを厳選して持ち帰ります。丁寧に育てられた苗や株は出張費などのコストがかかるため、やや割高ですが、その分品質は良いのだそう。またその植物が育った環境を知っておくことで購入時にお客様に枯らさないための的確なアドバイスができる、とも。

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