大阪で保護された黒猫の女の子 SNSで里親を募集、東京で幸せに

渡辺 陽 渡辺 陽

大阪で3匹の子猫が一緒に保護された。シャム柄の子猫はすぐに譲渡先が決まったが、黒猫の子猫は取り残された。同じ頃、東京都に住む松川さんは、保護猫を飼おうと思い、いつも譲渡サイトを見ていた。

先住猫MUFASAくんの相棒を探して

大阪市の住宅街で、家と家の間の原っぱのようになっている空き地があった。そこには野良猫がよくいたのだが、2016年11月、3匹の子猫が現れた。きょうだいは一緒に保護されたが、シャム猫のような柄の2匹はすぐに里親が決まったという。残された1匹の子猫は黒猫だった。 

同じ頃、東京に住む松川さんは、2匹目の猫を飼おうと、先住猫のMUFASAくん(当時4歳)と兄弟のように遊べる猫を探していた。ツイッターで検索すると、神奈川県の人が三毛猫の里親を募集していた。可愛かったが、10歳を超えていたのでMUFASAくんとの年齢の開きが大きく、あきらめた。

ほぼ毎日、インスタグラムで里親を募集している猫を探していたという松川さん。ある日、大阪で、個人で猫の保護活動をしている人が保護した黒猫の子猫をみつけた。

もらわれにくい黒猫

2匹のシャム柄の子猫をもらった人は、最初からシャム柄の猫を希望していたので、黒猫だけが残ってしまったようだった。

「きょうだいと離れ離れになって、ケージの中で、たった1匹で鳴いている姿は、とてもかわいそうでした。そうでなくても黒猫やサビ猫はもらわれにくいんです。MUFASAとも年が近かったし、黒猫を譲渡してもらうことにしました」

松川さんは、大阪から東京まで新幹線で移動してくる子猫を受け入れる不安を感じた。

「大阪から東京まで時間がかかるので、万が一具合が悪くなっていたら、緊急で病院に連れて行かなければいけないと思ったんです。でも、とても元気だったので安心しました」

譲渡会ではなく、個人から引き取りたい

黒猫の子猫は、MELLOWちゃんと名付けられた。体重は標準的な猫より少し軽かったが、もともと小柄で、運動神経抜群の子だった。

「先住猫のMUFASAのところに来て、いきなりぺちっと叩いていなくなることもありますが、MUFASAが応戦しないので、平和にやっています。MELLOWがMUFASAにくっついている感じですね」

松川さんは、猫を探す時、ペットショップやブリーダーから購入しようとは思わなかったが、譲渡会にも行かなかった。

「保護団体は譲渡会に出す猫を、持病がないなど、一定の基準を設けて選びます。譲渡会に参加できない猫は、誰にも気づいてもらえず、忘れられてしまうことがあるんです。私は、持病があっても、自分が育てられる猫ならいいと思っていたので、個人の方が保護された猫にしようと決めていました」

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