親子2代に渡って猫の保護活動をしているという植松さん。ある日、実家の近くで産まれた子猫たちを保護した。3匹の子猫のうち元気な子は人に譲り、体調が悪かったパールちゃんを我が子にして、真珠のように輝いてほしいとパールと名付けた。
野良猫が産んだ子猫たち
静岡県に住む植松さんは、幼い頃から、お母さんが野良猫の子猫を拾ってきて、里親を探すのを見てきたので、自然と猫の保護活動をするようになったという。NPO法人「捨て猫をなくす会」に所属していたこともあるそうだ。
植松さんの実家の近所の人は、野良猫にエサをあげていたのだが、不妊手術はしていなかった。そして、ついに2008年5月、3匹の子猫が生まれた。植松さんは、子猫たちを探しながら、エサだけあげていた人に、「私が猫の不妊手術をするので、ご飯はあげてもらえますか」と、お願いしたという。
暖かくて居心地のいいサボテンハウス
「この地域では、当時、野良猫が子猫を産むと農薬を撒く人などがいたのですが、子猫たちは、なんとか無事に生きていました。私は、サボテンの温室で子猫たちを発見したのですが、きっと暖かかったのでしょうね。みんな、ぐっすり眠っていました」
植松さんは、タモで子猫たちを捕まえようとしたのだが、その中の1匹、パールちゃんは、慌てて逃げる時にサボテンのトゲが刺さってしまった。
大病を乗り越えて
3匹の子猫たちは生後2ヶ月になっていて可愛い盛り、2匹の男の子はすぐに里親が見つかった。女の子のパールちゃんは、保護当時から体調が悪かったので、植松さんが引き取った。
外で生活していたので、最初は常に逃げたいような感じだったという。2段のケージに入れていたのだが、子猫だったので、比較的早く家の中の生活に慣れたそうだ。
パールちゃんは、ずっと体調が思わしくなく、2カ月くらい動物病院に通っていた。詳しく検査をしたら、横隔膜ヘルニアになっていて、横隔膜が破れ、その裂け目に肝臓が入っていたという。
「緊急手術が必要で、難しい手術になる、助かるかどうか分からないと言われました。横隔膜の裂け目にぴったり肝臓がはまるようになっていたのもよかったようで、パールは一命をとりとめました。生後4カ月の頃のことです」
大手術を乗り越えてから約10年。パールちゃんは、すっかり元気になり、植松さんが保護した他の猫とも仲良く暮らしている。