ネット犯罪が多発する中、「出会い系詐欺」で男女29人が警視庁に逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は22日、デイリースポーツの取材に対し、その“だましの手口”を解説した。
警視庁は、出会い系サイトで“サクラ”を使って男性会員から現金を詐取したとして、男女29人を詐欺の疑いで逮捕したと20日に発表した。捜査2課によると、岡山県の男性会社員(41)に対し、女性会員を装って「金を支払えば電話番号を交換できる」と虚偽のメッセージを送り、現金7万円を振り込ませた疑い。
小川氏は「容疑者たちは女性を装って、LINEなどのSNSを通じて不特定多数の男性らに『お話がしたい』などとメッセージを送る。かわいい女性の写真も添えられています。返信があった男性が『電話番号を交換したい』『会いたい』などと希望すれば、『それなら、このサイトに入会してほしい』と出会い系サイトに誘導するシステムになっています。大半がサクラで、『電話オペレーター』として求人サイトで集めていたとみられます」と解説した。
小川氏は、この手口に関して「10年以上前からの同じ手口であるが、だまされる者は後を絶たないのが現況である」と指摘した。
ネット社会を横行する詐欺師たち。小川氏は「競馬情報や出会い系でだまされたと思ってネットを調べると『●●救済の会』等という名称の組織がありますが、それも詐欺であることが多いです。そのサイトから相談をすると保証金等々の名目でお金をだまし取られ二次被害にあっている方も多いです」と、さらなる犯罪に遭う可能性を説明した。
小川氏は「警察に相談するか、自治体には無料で相談できる弁護士さんもいますので、そうしたところで相談し早期に対応してください」と注意を呼び掛けている。