仮に他局の番組制作費が予算3000万円で、テレ東が1000万円だとする。タレント出演費、ロケ予算など5項目を均一に割ると他局が各600万円に対し、テレ東は各200万円。ならば、バランスを壊す。テレ東はロケ予算を8割の800万円とし、タレント出演費などは100万円に抑え、スタジオ予算などは0円に。ロケのクオリティだけなら他局を上回る。実際、「世界で一番多い」と言われる約70人のディレクターが携わる。
バランスを壊すことで、こだわりの部分を特化する。その姿勢は私たちの日常生活にも応用できるはずだ。
例えば、高橋氏の場合はこうだ。「お金は本と食事にかけ、服は何年も買わない」「入社3年目の頃、短い休みに弾丸旅行するお金を捻出するために、新宿区内で見つけた家賃1万1000円の2畳部屋に住むという“プレー”をした」「3年前に結婚し、それまで時間を費やしていた酒をやめて家族と過ごす時間にあてた」
「プレー=楽しむ」。そんな発想が番組にも生きている。